ピックルスホールディングスは調整一巡、25年2月期増収増益予想

 ピックルスホールディングス<2935>(東証プライム)は漬物・キムチ製品の最大手で、独自の乳酸菌Pne-12を使用した「ご飯がススムキムチ」シリーズや惣菜を主力としている。成長戦略として製品開発の強化、販売エリア・販売先の拡大などを推進するとともに、野菜・発酵・健康の総合メーカーを目指して外食・小売・農業領域への展開も推進している。25年2月期は小幅ながら増収増益予想としている。拡販を推進して販管費の増加を吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は2月の高値圏から反落してモミ合う形だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■漬物製品の最大手で「ご飯がススムキムチ」シリーズや惣菜が主力

 ピックルスコーポレーションが株式移転で設立した持株会社ピックルスホールディングスが22年9月1日付で東証プライム市場に上場した。漬物・キムチ製品の最大手で、独自の乳酸菌Pne-12(ピーネ12)(15年10月特許取得済)を使用した「ご飯がススムキムチ」シリーズや惣菜などを主力としている。さらに、野菜・発酵・健康の総合メーカーを目指して、外食・小売・農業領域への展開も推進している。

 24年2月期の品目別売上構成比は製品68.0%(浅漬・キムチ40.8%、惣菜26.1%、ふる漬1.1%)および商品(漬物、調味料、その他)32.0%、販路別売上構成比は量販店・問屋等75.6%、コンビニ15.5%、外食・その他8.9%だった。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。収益面の特性としては、個人消費動向のほか、天候不順などによる野菜(特に胡瓜と白菜)価格の影響を受ける傾向がある。

■成長戦略として新規事業も推進

 中期経営目標値としては、27年2月期売上高445億円(浅漬・キムチ183億21百万円、惣菜116億13百万円、ふる漬5億07百万円、商品140億56百万円)、売上総利益92億21百万円、売上総利益率20.7%、販管費74億81百万円、販管費比率16.8%、営業利益17億40百万円、経常利益18億10百万円、親会社株主帰属当期純利益12億20百万円を掲げている。24年2月期の実績は売上高430億28百万円(浅漬・キムチ175億45百万円、惣菜112億41百万円、ふる漬4億73百万円、商品137億68百万円)、売上総利益86億37百万円、売上総利益率20.1%、販管費69億69百万円、販管費比率16.2%、営業利益16億68百万円、経常利益17億71百万円、親会社株主帰属当期純利益11億75百万円だった。

 設備投資は、25年2月期からの3年間で合計77億円(25年2月期64億円、26年2月期9億40百万円、26年2月期4億円)を計画している。25年2月期には茨城工場(仮称、24年12月引き渡し予定、投資額50億50百万円)を新設する。

 成長戦略として、製品開発の強化(キムチ製品、惣菜、ドライ商品、調味料)、販売エリアの拡大(特に西日本エリアでの販売拡大)、販売先の拡大(ドラッグストア、量販店、配食事業などの開拓)、新規事業(BtoC事業、農業事業、新規カテゴリ食品事業など)を推進している。

 製品開発・新規カテゴリ食品事業では、主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズの新製品、成長分野である惣菜製品の開発に加えて、冷凍食品関連商品(冷凍ご飯がススムキムチ鍋など)、サツマイモ関連商品(あいすやきいもなど)、長期保存が可能なLL(ロングライフ)ガス置換(容器内を一度真空にして不活性ガスに置き換える方法)惣菜などの開発も推進する。

 販売エリアの拡大では全国ネットワークを活かした営業戦略を推進し、特に西日本エリアでの販売拡大に注力する。販売先の拡大では既存分野以外の売場への商品展開を推進する。

 新規事業では、BtoC領域の外食・小売事業に参入し、20年10月に運営子会社OHが、埼玉県飯能市に複合型観光施設として、発酵のテーマパーク「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」を開業した。日本の伝統的な食文化「発酵」を発信していく。EC販売については22年9月に「OH!!!」のサイトと統合し、施設紹介とEC機能を併せ持つ複合サイト「OH!!!オンラインストア」にリニューアルした。統合により、ブランドを横断した購入が可能になる。24年3月には「飯野ベーカリー POCO―POCO」をオープンした。

 22年3月には子会社ピックルスファームを設立し、埼玉県内で農業事業を開始した。所沢工場向けの小松菜や「OH!!!」向けのさつまいもを生産する。野菜の生産に関わることで安全・安心な原料野菜を安定的に調達するとともに、農業を通じた雇用創出や地域活性化にも貢献することを目指す。23年9月には、センシングデバイスや農業資材などを取り扱う複合機能商社であるAsueとの合弁により、サツマイモを原材料とする加工食品の仕入・販売を行う子会社ベジパル(出資比率60%、事業開始10月上旬予定)を設立した。

 SDGsへの取り組みとしては、太陽光発電の導入、LED電灯の100%導入、子ども食堂への支援、オリジナルエコマーク「ピックルスのECO」の導入などに加えて、野菜残さを餌としたウニの養殖研究にも取り組んでいる。また23年2月には健康経営宣言を策定し、健康経営を推進している。

■24年2月末時点でプライム市場の上場維持基準に適合

 なお、23年2月末日時点で、プライム市場の上場維持基準のうち流通株式時価総額が基準に適合していない状況になったため、23年5月30日付で上場維持基準適合に向けた計画書を作成・開示していたが、24年2月末時点でプライム市場の全ての上場維持基準に適合していることを確認したとリリースしている。今後も、中期経営計画で掲げた各種戦略の着実な実行によって業績の向上を図るほか、IR活動の充実、サステナビリティ活動の充実、株主還元の強化、流通株主数の増加などに取り組み、中長期的な企業価値の向上(時価総額の増大)に努めるとしている。

■25年2月期増収増益予想

 25年2月期の連結業績予想は売上高が24年2月期比1.1%増の435億円、営業利益が1.9%増の17億円、経常利益が0.5%増の17億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.1%増の12億円としている。配当予想は24年2月期と同額の24円(期末一括)としている。予想配当性向は24.9%となる。

 売上高の計画は、品目別には製品が0.5%増の293億96百万円(浅漬・キムチが0.2%増の175億71百万円、惣菜が1.0%増の113億57百万円、ふる漬が1.3%減の4億67百万円)で、商品が2.4%増の141億03百万円としている。また販路別には量販店・問屋等が0.9%増の328億34百万円、コンビニが3.1%増の68億70百万円、外食・その他が0.8%減の37億95百万円としている。

 個人消費や原材料・エネルギーコストの動向に不透明感が強いものの、売上面は各種キャンペーンなど効果的な販促活動、商品規格や販売価格の見直しによる値上げに加え、新規取引先の開拓、既存取引先の深耕などで増収を目指す。また利益面は、広告宣伝費の増加や新工場稼働(24年12月予定)の影響があるものの、増収効果や生産コスト改善(製品の集約、不採算アイテムの見直し、省力化・機械化など)効果で増益を目指すとしている。EBITDA(営業利益+減価償却費)は6.1%増の27億66百万円、EBITDA率は0.3ポイント上昇して6.4%の計画としている。

 またESGやSDGsへの取り組みも強化し、事業を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年2月末の株主が対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年2月末時点の100株(1単元)以上保有株主を対象として商品詰め合わせセットなどを贈呈する。なお23年12月28日に24年2月末対象の優待内容(商品詰め合わせセット)を発表している。

■株価は調整一巡

 株価は2月の高値圏から反落してモミ合う形だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。5月22日の終値は1158円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS96円49銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の24円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1438円45銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約149億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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