永谷園HDが1株3100円で同社株にMBO(経営陣側による公開買付)、株主には応募を推奨

■MBO後、創業家一族が公開買付者に再出資、三菱商事は引き続き株主に

 永谷園ホールディングス<2899>(東証プライム)は6月3日の夕方、「いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる、(注略)当社の普通株式に対する公開買付」を発表した。MBO価格は1株3100円。買付期間は2024年6月4日から24年7月16日(予定)。非公開化することを目的とした取引になるとし、同社はこれに賛同する旨の意見を表明するとともに、株主の皆様に対しては本公開買付けへの応募を推奨するとした。

 発表によると、公開買付者はエムキャップ十二号株式会社(東京都千代田区)で、本公開買付を通じて永谷園HDの株式を所有することを主たる目的として24年4月23日に設立された株式会社になる。その発行済み株式のすべてを「エムキャップ十三号ファンド」が所有している。また、「エムキャップ十三号ファンド」には、三菱商事<8058>(東証プライム)の完全子会社「丸の内キャピタル」のファンドが有限責任組合員として参加している。

 MBO後に創業家一族(永谷園HDの代表取締役会長であり、第4位株主である永谷栄一郎氏ら)が公開買付者に出資することを予定しているとともに、本取引成立後も継続して永谷園HDの経営にあたることを予定している。三菱商事は、既存株主かつ長年の事業パートナーとして、議決権割合が現在と同等の水準である10.00%となるよう調整しつつ、永谷園HDの安定的な成長のため継続的な事業提携を行うとともに、人材の派遣、海外事業の成長等を含め更なる協業の深化を行う予定。

 創業の精神である『味ひとすじ』(注)を企業理念とし、すべてのお客様に信頼され、ご満足していただける安全・安心な商品・サービスの提供を経営の基本方針とし、この基本方針の下、長い歳月と多くのエネルギーをかけて築き上げてきた「永谷園ブランド」の価値をより強化し、発展させていく経営活動を行って行くとした。

【注】「味ひとすじ」とは、(1)「今までにない」、(2)「お客さまに、なるほどおいしい、と感じてもらえる」、(3)「他社にマネが出来ない」そういう商品を出し続ける「決意」
(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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