インテージHDがCRO(医薬品開発業務受託機関)事業をアルフレッサHDに譲渡

■譲渡価額は25億円、ヘルスケア領域に関する課題の多様化に対応

 インテージHD(インテージホールディングス)<4326>(東証プライム)は6月17日の午後、連結子会社(株)インテージヘルスケアのCRO(医薬品開発業務受託機関)事業を医薬品卸の国内最大手アルフレッサHD(アルフレッサ ホールディングス)<2784>(東証プライム)に譲渡すると発表した。

 会社分割(新設分割)により新設会社に承継させた上で、当該新設会社の株式の全部をアルフレッサHDに譲渡する。株式譲渡日は2024年9月2日(予定)、譲渡価額は2500百万円。これによる特別利益を18億円程度、25年6月期第1四半期連結会計期間に計上する見込みとした。

 インテージヘルスケアは、ヘルスケア領域のあらゆる課題に対して、「医療消費者」起点のデータの価値化による、最適な意思決定をサポートすることを目的として、2019年4月にスタートした。医薬品開発・製造販売後調査・安全性業務支援(CRO事業)を主体とする(株)アスクレップとマーケティングリサーチ事業を主体とする(株)アンテリオが経営統合しスタートした。経営統合以降、インテージグループのヘルスケア領域を担う各社(※2)と一体となり、データ活用によるマーケティングリサーチ事業やデータサイエンス事業、さらにプロモーション活動の支援としてソリューションを提供、そして医薬品開発業務受託機関としてCRO事業を展開することで、お客様の様々なニーズにお応えしてきた。

 一方で、ヘルスケア領域に関連する課題は、超高齢化社会を迎える日本が抱える社会保障費の増大という社会課題、昨今の製薬業界で課題とされる「ドラックロスやドラッグラグ」(後段に注記)、「患者中心の医療」に取り組む医療業界、医療従事者の抱える課題など、多岐にわたる時代となってきている。

・ドラッグロス:海外で既に承認されている薬が、日本では開発に着手できていないこと
・ドラッグラグ:海外で既に承認されている薬が、日本では承認を得るまでに長い時間を要していること

 そのような環境の中、インテージヘルスケアは、改めて、我々の強みである「データの価値化」に注力し、これらの課題解決をするため、経営資源をマーケティングリサーチ事業、データサイエンス事業に集中させることとした。そのため、医療用医薬品等の安全性と有効性を支えるCRO事業については、医薬品の開発から製造、販売、物流、PMS(医薬品や医療機器が販売された後に行われる品質、有効性および安全性の確保を図るための調査)まで一貫して担うトータルサプライチェーンサービスの構築を進めるアルフレッサHDへ譲渡することを決定した。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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