【編集長の視点】ヒトコムは連続最高益で市場予想を上回り連続増配もオンして続急伸

編集長の視点

ヒト・コミュニケーションズ<3654>(東1)は、寄り付きの買い気配から288円高の2532円まで買い進まれ続急伸している。寄り付き段階の東証1部値上がり率ランキングで、トップに躍り出る高人気となっている。連休前9日大引け後に8月期決算を発表、前2015年8月期業績が、期初予想を上ぶれて着地し、続く今2016年8月期業績も続伸、純利益が、連続して過去最高を更新し市場コンセンサスを上回ることを評価して割安株買いが増勢となっている。今期配当が、2011年8月の新規株式公開(IPO)以来、実質で5期連続で増配を予定されていることも、サポート材料となっている。

■外国人旅行者向けの一括運営受託開始なども寄与し取扱商材が成長

同社の前2015年8月期業績は、利益が期初予想を3億5900万円~1億7500万円上ぶれ前々期比18.3%増収、23.6%経常増益、24.0%純益増益と続伸した。アウトソーシングサービスのリーディングカンパニーとして、クライアント企業のニーズに成果で応える「成果追求型営業支援」を継続し、アウトソーシング事業では、モバイル分野でウエアラブル端末の販売受託事務局を新規に受注し、観光分野では外国人旅行者向けの多言語コールセンターや免税カウンターの一括運営受託を開始、人材派遣事業でも、ストアサービス分野で食品・コスメティック・ファッション販売の人材派遣案件の受注が増加、観光分野では第1四半期に連結子会社化した2社が寄与、新規領域の展示会、コンベンション、スポーツイベント運営などの案件を受注、すべての取扱商材をバランスよく成長させたことが要因となった。

今2016年8月期業績は、売り上げ285億円(前期比8.3%増)、経常利益25億7000万円(同8.7%増)、純利益14億5000万円(同12.0%増)と予想、純利益は、前期に続いて過去最高を更新して市場コンセンサスを1億円超上回る。既存分野で既存クライアントへの提案営業を強化するとともに、アウトソーシング事業、人材派遣事業とも増加する外国人旅行者への対応を強め、事業シナジーにより事業展開することなどが寄与する。配当は、前期に年間23円(前々期実績22.5円)に増配したが、今期も23.5円を予定、株式分割などを勘案してIPO以来の5期連続増配となる。

■PER15倍台の割安修正で相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」に弾み

株価は、前期第3四半期業績が通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを評価して年初来高値2760円まで4割高し、世界同時株安に巻き込まれて1790円と突っ込んだが、下げ過ぎとして半値戻し水準までリバウンドした。PERは15倍台と割安であり、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに高値奪回に弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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