【編集長の視点】綿半HDは3Q決算発表を前に2期ぶり最高純益更新を買い直して急反発

綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日25日に40円高の1418円と急反発して引け、25日移動平均線へ下ヒゲを伸ばして下値を確認し出直る動きを強めた。同社株は、今年1月29日に今2021年3月期第3四半期(2020年4月~12月期、3Q)決算の発表を予定しており、これを前に今期通期純利益が、2回も上方修正され2期ぶりに過去最高を更新することを見直しバリュー株買いが再燃した。月次売上高が、新型コロナウイルス感染症の感染予防品に加え、このところの気温低下で除雪用品、暖房用品などの販売拡大がオンして連続プラスとなっていることも、業績期待を高め支援材料として意識されている。

■巣ごもり需要に除雪・暖房用品もオンして業績押し上げ期待

 同社の今3月期通期業績は、昨年7月、10月と2回上方修正され、売り上げ1150億円(前期比4.3%減)、営業利益31億円(同17.6%増)、経常利益33億5000万円(同19.1%増)、純利益21億円(同38.2%増)と予想され、経常利益は、6期連続の過去最高更新となり、純利益は、2019年3月期の過去最高(16億1200万円)を2期ぶりに更新する。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に巣ごもり需要が活発化し、DIY用品や園芸用品などの高利益率商品が好調に売り上げを伸ばし、感染予防のためにチラシ配布や出張も中止したことなどから販管費が抑制され、さらに既存店舗のスーパーセンター化や積極的なM&Aを継続推進したことなど寄与した。

 また好調な業績推移を背景に今期の年間配当は、18円に引き上げ株式分割(基準日・2020年9月30日、1株を2株に分割)を勘案して前期の年間34円に対して実質2円の連続増配を予定し、株主優待制度も実質的に拡充する。なお月次売上高は、昨年9月に前年同月の消費税増税前の駆け込み需要の反動でマイナスとなったが、10月度に全店で11.0%増、既存店で12.8%増とプラス転換し、今年1月8日に発表した12月度は、除雪用品、暖房用品の寄与で同じく1.9%増、2.2%増と3カ月連続で伸びており、その後も記録的な降雪が続いていることから業績押し上げ期待を高めている。

■ミニGC示現で上昇トレンド転換し低PER修正でまず落ち後高値奪回へ

 株価は、3135円で株式分割の権利を落とし、分割権利落ち高値1660円から昨年11月安値1302円、同12月安値1278円をダブル底に25日移動平均を出没する200円幅のボックス相場を続けてきた。この値固めも4カ月を経過し一巡感を強め、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PER13倍台の割安修正に再発進し、分割権利落ち後高値1660円にチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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