【編集長の視点】デジタリフト、2025年9月期業績を上方修正、株主優待制度導入で投資魅力向上

■V字回復鮮明化で年初来高値奪回へ

 デジタリフト<9244>(東証グロース)は、前日31日に47円高の1157円と急反発して引け一時、1178円と上値を伸ばす場面もあり、7月24日につけた年初来高値1300円を意識する動きを強めた。同社株は、今年7月23日に株主優待制度の導入を発表し、株価はストップ高のあと窓を開けて年初来高値まで291円高し、この時開けた窓をほぼ埋めて出直っており、高値調整一巡として下値で優待制度の権利取りが再燃した。優待制度導入に先立って今2025年9月期業績を上方修正し、V字回復を鮮明化したこともフォローの材料視されている。

■高収益領域へ事業ポートフォリオをシフトし連結子会社の収益も向上

 株主優待制度の導入は、同社株式の投資魅力を高め個人投資家により多くより長く同社株式を保有してもらい企業価値向上に向けて事業の成長を共有しつつ、出来高と流動性を高めることを目的としている。9月末日を基準日に500株以上の株式を保有する株主にデジタルギフト2万円分を贈呈する。優待制度利回りは、3.45%に達する。また同社は、東証グロース市場の流通株式時価総額の上場基準(5億円以上)に対して、昨年9月30日現在で同時価総額が3億3300万円で不適合となっており、優待制度導入により基準適合も期待される。

 一方、今2025年9月期業績は、7月15日に上方修正が発表されており、売り上げは期初予想より3億1900万円引き下げられたが、逆に営業利益は9200万円、経常利益は9800万円、純利益は4600万円それぞれ引き上げられた。この結果、売り上げ38億円(前期比14.2%増)、営業利益1億8000万円(同5.45倍)、経常利益1億7600万円(前期は4800万円の赤字)、純利益8500万円(同7400万円の赤字)とV字回復を見込んでいる。収益性の高い事業領域への事業ポートフォリオのシフト、今年1月に株式を追加取得して連結子会社化したウェブココルの収益性向上、採算性の改善、コストの最適化などを進めたことなどが寄与する。

■急騰特性の発揮と権利取りのダブル効果で年初来高値奪回から上値チャレンジ

 同社の株価は、M&Aや業績上方修正などの好材料が出るたびにストップ高を交えるなどして急騰特性を発揮しており、今年6月のAI(人工知能)技術開発で強みを持つGROWTH VERSE(東京都豊島区)との資本業務提携では947円と181円高し、同7月の今期業績の上方修正では94円高、さらに優待制度導入ではストップ高のあと窓を開けて291円高して年初来高値1300円まで買い進まれた。足元では、この時の窓をほぼ埋め1000円台下位から再度、上値を窺う展開を強めている。急騰特性の発揮と優待制度の権利取りのダブル効果で年初来高値を奪回しさらに上値チャレンジを強めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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