パナソニック、燃料電池と吸収式冷凍機を連携しエネルギー効率95%を実現

■業界初!燃料電池の発電熱で空調も

 パナソニック ホールディングス<6752>(東証プライム)のパナソニックは7月29日、滋賀県草津市の「H2 KIBOU FIELD」で純水素型燃料電池の発電時に発生する熱を吸収式冷凍機の熱源として活用する実証実験を開始したと発表。これまで困難であった温度差を改善し、70℃の熱で燃料電池と空調機を連携させることに成功した。施設内管理棟の冷暖房に新たな低温廃熱利用型吸収式冷凍機を用いることで、エネルギー効率の向上と消費電力の低減を目指していく。

 H2 KIBOU FIELDでは、5 kWタイプの純水素型燃料電池99台を用い、太陽電池や蓄電池と連携して再生可能エネルギーによる自家発電を行っている。今回の実証実験では、燃料電池内の新規触媒を用いて発電部の耐久性を高め、回収できる熱の温度を60℃から70℃へと上昇させた。これにより、エネルギー効率95%を実現し、冷暖房用途への熱利用を進める。

 また、パナソニックの吸収式冷凍機は高効率な空調システムであり、自然冷媒である「水」を使用することで環境に配慮している。今回の実証実験では、吸収液の濃縮・吸収過程を改良し、既存製品と同等のサイズながら最低熱源温度を80℃から70℃に引き下げた。これにより、業務用エアコンの冷水生成に活用し、空調消費電力50%削減を目指す。この試みは業界初であり、産業用廃熱の有効活用にも繋がる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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