川崎重工、国内初の水素30%混焼大型ガスエンジン試運転に成功、CO2削減に大きく貢献

■高効率・低排出、水素エネルギーの新たな可能性

 川崎重工業<7012>(東証プライム)は7月29日、神戸工場内に設置した大型ガスエンジン実証設備(型式:KG-18-T、定格出力7.5MW)において、国内初の水素30%混焼の試運転に成功したと発表。今後は燃焼制御の最適化を進め、2024年10月からの運用開始を目指していく。この設備は、高圧水素ガストレーラによる水素供給設備と都市ガスへの水素混合ユニットを設置し、水素を5〜30%の任意の割合で混合可能である。安全対策として、ガス検知器や窒素パージシステムを備えている。

 水素を30%混焼した場合、都市ガス単独燃焼と比べて年間1,150トンのCO2を削減し、約420世帯分の年間排出量に相当する。川崎重工は、2025年にカワサキグリーンガスエンジンの水素混焼モデルの市場投入を予定しており、既設エンジンへの水素混焼改造工事も進めていく。カーボンニュートラルの実現に向けて、同社は今後も水素エネルギー利用のさらなる開発に取り組んでいく。

 カワサキグリーンガスエンジンは、高効率・低NOxをコンセプトに自社開発された発電設備であり、同出力クラスで世界最高効率を誇る。起動指令後5分で最大出力に到達する機動性を持ち、再生可能エネルギー導入拡大に伴う電力網の需給調整力向上にも寄与する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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