鹿島、山岳トンネル掘削の自動化に成功、「A4CSEL for Tunnel」が完成

■切羽の無人化を実現、労働災害リスクの低減へ

 鹿島<1812>(東証プライム)は7月31日、同社が2017年から開発を進めてきた次世代の山岳トンネル自動化施工システム「A4CSEL for Tunnel」(クワッドアクセル・フォー・トンネル)が完成したと発表。2018年から静岡県富士市の模擬トンネルで開発を進め、2021年からは岐阜県飛騨市の神岡試験坑道にて実坑道での自動化・遠隔化に成功。これにより、掘削作業の6ステップすべてが自動化され、今後のトンネル工事への導入が期待される。

 「A4CSEL for Tunnel」は、山岳トンネル工事の主要な掘削作業を自動化するシステム。これにより、熟練技能者不足や労働災害の発生リスクが高い切羽付近での作業が省力化され、生産性も向上する。システムは、(1)穿孔、(2)装薬・発破、(3)ずり出し、(4)アタリ取り、(5)吹付け、(6)ロックボルト打設の各ステップにおいて、自動化された重機を使用し、それらを一元管理する仕組み。各ステップの技術開発が進められ、安全性と効率性の向上が実証された。

 鹿島は今後、この技術を他の工事にも順次導入し、さらに改良を加えながら労働災害ゼロ、省力化、生産性向上を目指していく。また、トンネル工事の他の作業にも自動化技術を適用することで、総合的な安全性と効率性の向上を図っていく。切羽付近の無人化や、覆工コンクリート打設の完全自動化技術など、既に実用化されている技術と併せて、山岳トンネル工事の革新を推進していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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