【株式・為替相場展望】決算発表控えて不安定だが全体としてリスクオン優勢

株式・為替相場展望

10月19日~23日の株式・為替相場については、国内3月期決算主要企業の業績発表を控えてやや不安定だが、全体としてリスクオン優勢の展開を想定する。

いきなり週初19日発表の中国7~9月期GDP(国内総生産)、および9月小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資が焦点となる。ただし中国の景気減速に対する過剰反応はピークアウトしている。

多少の低下であれば、市場予想の範囲内となって無難に通過しそうだ。また市場予想を下回った場合には政策期待が一段と高まる可能性があり、仕掛け的な売りが出た場合でも影響は一時的だろう。

その後は国内3月期決算企業の7~9月期業績発表を控えてやや不安定な動きとなりそうだ。業績修正発表や観測報道で大きく動く可能性もある。

ただし一方では、10月30日の日銀金融政策決定会合における追加金融緩和「黒田バズーカ3」に対する期待感も根強い。特に銀行、証券、保険、その他金融、不動産などのセクターが注目されそうだ。

そして21日発表の訪日外国人旅行客も注目される。インバウンド消費に大きな影響がないと判断されれば、売り込まれた関連銘柄に対する買い戻しの動きが強まりそうだ。大筋合意したTPP(環太平洋経済連携協定)関連も、長期的なテーマとなって関連銘柄への物色が続きそうだ。

また需給面では、11月4日IPO予定の日本郵政グループ3社公募株購入に向けた換金売りもピークアウトする。エネルギーが低水準だった新興市場への資金流入も期待できそうだ。

なお為替については、米景気減速に対する警戒感で米FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ時期先送り観測が一段と強まる可能性もあり、一時的にドル安・円高方面に傾く場面がありそうだ。20日の米9月住宅着工件数・建設許可件数、22日の米9月中古住宅販売件数、米9月コンファレンス・ボード景気先行指数などが注目される。また22日のECB理事会に関しては、金融政策の現状維持という見方が優勢であり、影響は限定的だろう。(アナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る