【注目銘柄】ベステラは急反落も2Q決算発表を前に業績上方修正と還元方針変更を手掛かりに突っ込み買い一考余地

■25日移動平均線キープ、上昇トレンド転換に期待

 ベステラ<1433>(東証プライム)は、前日4日に38円安の887円と4営業日ぶりに急反落して引けた。日経平均株価が、1639円安と今年3番目の下落幅で急続落したことから、今年8月5日に突っ込んだ年初来安値724円から200円幅のリバウンドをしていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ同社株は、今年9月9日に今2025年1月期第2四半期(2024年2月~7月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今年6月7日の今期第1四半期(2024年2月~4月期、1Q)決算時開示時に今1月期通期業績の上方修正と株主還元方針の変更を発表しており、この再確認から買い再燃の可能性もあり、突っ込み買いも一考余地がある。テクニカル的にも8月月初の急落で25日移動平均線が75日移動平均線を下抜くデッドクロスとなったが、足元のリバウンドで5日移動平均線が、25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現しており、前日の急反落でもなお25日線をキープしており、上昇トレンド転換は変わらず側面支援材料視されそうだ。

■受注高、受注残高、元請案件比率とも過去最高で推移し業績大幅続伸

 同社の今1月期業績は、期初予想より売り上げを10億円、営業利益と経常利益を8000万円、純利益を5000万円それぞれ上方修正され、売り上げ110億円(前期比17.1%増)、営業利益5億円(同2.03倍)、経常利益6億円(同47.2%増)、純利益4億円(同73.6%増)と見込み大幅続伸する。プラント解体の豊富な工事需要を背景に受注と受注残が過去最高水準で推移しており、新規営業活動により電力、石油・石油化学分野で新規客先が増加し、今期1Qの受注は29億1000万円と1Qの完成工事高28億8700万円を上回り、1Q受注残高も71億1000万円に達しており、元請工事案件の比率が過去最高の48%に高まり、今後のスクラップ売却なども業績に寄与することなどが要因となる。なお9月3日には、保有投資有価証券売却益7200万円を今期第3四半期に計上すると発表している。

 一方、株主還元方針は、配当性向を40%、DOE(株主資本配当率)3.5%を目安に累進配当制度を導入することに変更する。同社は、新規上場した2016年1月期以来、2024年1月期まで9期連続で減配せず、うち3回は増配しており、株主への利益還元をより明確化する。

■「半値戻しは全値戻し」をミニGCがサポートし年初来高値奪回へ再発進

 株価は、昨年9月に下方修正した前期業績を今年2月に一転して上方修正して1110円と買われ、続く今期業績の大幅続伸予想と株主還元方針の変更で年初来高値1171円へ上値を伸ばしたが、日経平均株価が過去最大の下落幅となる相場急変の波及で年初来安値724円に突っ込んだ。同安値からは売られ過ぎとしてリバウンドし、年初来高値から年初来安値への調整幅の半値戻しを達成するとともに、5日線が25日線を上抜くミニGCを示現し上昇トレンド転換を示唆した。PERは19.6倍とやや市場平均を上回るが、相場格言の「半値戻しは全値戻し」をミニGCがサポートして年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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