【編集長の視点】ブロードマインドは1Q減益業績を織り込み80円配当を手掛かりに下げ過ぎ修正の反発

 ブロードマインド<7343>(東証グロース)は、前日15日に5円高の1445円と小幅ながら4営業日ぶりに反発して引けた。同社株は、今年8月に突っ込んだ1250円安値から底上げ途上にあり、8月13日に発表した今2025年3月期(2024年4月~6月期、1Q)業績が、減益着地したことで調整が長引いているが、今期配当が、配当性向100%を続ける配当政策に従って年間80円(前期実績40円)に連続大幅増配を予定していることを手掛かりに下げ過ぎ修正期待の打診買いが入った。テクニカル的にも、25日移動平均線を出没する保ち合いが1カ月超経過し、調整一巡感を強めていることも、下値買いの手掛かりとなっている。

■1Qは業容拡大に向けた投資期間の新サービスの提供が相次ぐ

 同社の今期1Q業績は、売り上げ14億7000万円(前年同期比42.7%増)、営業利益1億900万円(同27.5%減)、経常利益1億1500万円(同27.3%減)、純利益4900万円(同50.8%減)と連続の大幅増収ながら減益転換して着地した。1Qは、業容拡大に向けた投資期間と位置付け、コンサルティング組織拡大に向けて新卒学生を中心に新規採用を積極化して育成も図り、2024年2月に事業譲受したセブン保険ショップを「マネプロショップ」にリニューアルしたことなどが要因となったが、ただ1Qの新規相談受付件数は、過去最大となるプラス面もあった。またこの1Q決算発表と前後して金融サービス仲介業者向けに「マネパスwithFP」の初提供、家族信託サービスの提供、新しい金融教育「人生の練習」の無償提供などの新サービスを次々に展開しており、今年11月13日に発表を予定している今期第2四半期(2024年4月~9月期)業績の動向も注目される。

 今期通期業績は、いまのところ期初予想に変更はなく売り上げ61億7000万円(前期比18.2%増)、営業利益8億2000万円(同13.5%増)、経常利益8億2500万円(同9.3%増)、純利益4億6000万円(同2.9%増)と見込んでいる。配当方針は、今期から中期経営計画の最終年度の2027年3月期まで配当性向100%を維持することを今年3月に発表しており、年間80円に連続大幅増配の予定である。

■G市場の高配当利回りランキング第4位を起点に次の上値フシは半値戻し

 株価は、配当性向100%の配当方針発表を歓迎して2日連続でストップ高し、オリックス銀行との代理店委託契約・遺言代行信託の提供開始が続いて上場来高値2150円まで急伸した。同高値後は、日経平均株価が過去最大の下落幅となる全般相場急落に巻き込まれて1250円安値まで調整し、今期1Q業績の減益転換着地を織り込みつつ、売られ過ぎとして上場来高値から直近安値までの調整幅の3分の1戻しへリバウンドしたあと、25日線を出没する保ち合いを続けてきた。今期80円配当から配当利回りは、5.53%と東証グロース市場の高配当利回りランキングの第5位にランクインするなどなお割り負けており、これを起点に次の上値フシとして上場来高値から直近安値までの調整幅の半値戻しの1700円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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