鹿島、理想的な無響状態を実現する革新的音響実験室を開発

■天井吊り下げ方式で反射物を排除、究極の無響環境を実現

 鹿島<1812>(東証プライム)は1月16日、音響実験室「無響室」の高性能化技術を開発し、技術研究所西調布実験場において無響室のリニューアルを完了したと発表。無響室とは、壁・床・天井を吸音楔で覆い、室内の音の反射を極限まで減衰させた実験施設である。今回の技術開発により、測定対象物を天井から吊り下げることで、従来の床置き式で課題となっていた反射物の影響を排除し、理想的な無響状態での音響計測を可能とした。

 新技術の特長は、天井裏に設置したキャットウォークと高精度な位置調整機能にある。キャットウォークから音をほとんど反射しない細いワイヤーやシャフトを用いて測定対象物を吊り下げることで、床面の反射物を完全に排除することに成功した。また、四方の壁に仕込まれたワイヤーワークによるミリ単位での位置調整や、0.1度ステップでの回転調整機能により、極めて高精度な測定環境を実現している。

 鹿島はこれまで、多くの音楽ホールやスタジオの設計・施工を手掛けており、その際に音響シミュレーション技術や英国サウサンプトン大学と共同開発した立体音響技術「OPSODIS」を活用してきた。今後は、この高性能無響室を活用して様々な音響特性の詳細な把握を進め、より高品位な音響空間の構築を目指すとともに、オーディオ分野など建設業の枠を超えたOPSODISの活用・普及に挑戦していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る