トヨタ、次世代EV「e-Palette」を発売、移動型店舗から自動運転へ

■2900万円から販売、補助金対象で導入拡大を後押し

 トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は9月15日、次世代モビリティ「e-Palette(イーパレット)」の販売を開始した。e-PaletteはバッテリーEVとして広い室内空間と大型ウインドウを備え、移動手段にとどまらず移動型店舗やサービス空間としても活用できる多用途設計となっている。利用者の自由な発想によるマルチな使い方を想定し、新たな移動体験の提供と都市景観の変化を目指す。まずは「TOYOTA ARENA TOKYO」や「Toyota Woven City」での導入を皮切りに輸送や移動型販売に活用し、自治体や販売店、自動運転パートナーと連携して自動運転実証も進め、2027年度にはレベル4自動運転システム搭載車の市場投入を計画している。

 e-Paletteは朝夕はシャトルバス、日中は移動型店舗など一日の中で用途を変えることが可能で、通信機材や音響機器を搭載したエンターテインメント用途にも対応する。低床設計や大開口スライドドア、電動スロープにより車いす利用者も介助なく乗降できるなどアクセシビリティに配慮。運転自動化レベル2相当のシステムに対応し、トヨタの車両制御インターフェースと外部のADK(自動運転制御キット)を組み合わせることで自動運転に対応可能とした。冗長システムによる安全性向上や運行管理システムとの連携により、安心・安全な自動運転の実現を目指す。

 さらに、次世代操舵を実現する「ステアバイワイヤシステム」や異形ステアリングを採用し、先進的なコックピットを構築。車内外に設置されたデジタルサイネージは利用者自身が編集可能で情報発信に活用できる。充電は急速・普通の両方に対応し、非常時の給電機能も備える。販売価格は2900万円(税込)からで、環境省の電動化促進事業の対象として補助金約1583万円が適用される。トヨタは「すべての人に移動の自由を提供する」方針のもと、SDGsの尊重やモビリティ社会の実現を目指し、革新的で持続可能なモノづくりを推進していく姿勢を示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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