【マーケットセンサー】2024年のIPO株、4つの投資パターンが浮上

■注目集めるIPO株のチャレンジ&リベンジ相場

 2024年のIPO市場において、新規上場した86銘柄は、その後の展開によって明確な特徴を示している。第一のパターンとして注目されるのが、ククレブ・アドバイザーズ<276A>(東証グロース)やグロービング<277A>(東証グロース)に代表されるチャレンジ相場である。業績上方修正や事業拡大による成長期待から、公開価格を大きく上回る展開となっている。特にククレブは、増配と業績上方修正により公開価格の2.4倍まで上昇し、成長株としての評価を確立している。

 第二のパターンは、低PER・高配当利回りを特徴とするリベンジ相場である。東証スタンダードを中心に、STG<5858>(東証グロ-ス)やカドス・コーポレーション<211A>(東証スタンダード)など、企業価値に比して割安な水準にある銘柄が多く存在する。特にカドス・コーポは、PER6倍、配当利回り4.96%と投資妙味の高い水準にある。また、第三のパターンとして、テクニカル的な底打ち期待から注目される光フードサービス<138A>(東証グロース)やグリーンモンスター<157A>(東証グロース)がある。

 第四のパターンは、再上場・直接上場組である。東京地下鉄<9023>(東証プライム)やキオクシアホールディングス<285A>(東証プライム)など、知名度の高い企業が含まれる。これらの銘柄は、株主からの期待も高く、企業価値の再評価が進む可能性がある。市場環境が不安定な中でも、個別銘柄の状況や投資機会を見極めることで、新たな投資戦略を構築できる状況となっている。相場のアノマリーを考慮しつつ、企業の実態に即した投資判断が求められる時期を迎えている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  2. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  3. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  4. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  5. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  6. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る