【フジテレビ問題】取引先9654社に波紋、芸能プロや番組制作など中小企業への影響懸念

■小規模事業者を中心に影響拡大、存亡の危機も

 フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)<4676>(東証プライム)の国内取引先の実態が明らかになった。東京商工リサーチ(TSR)の調査によると、フジHDグループの取引先は9,654社に達し、その大部分が中小企業であることが判明した。業種は広告代理店、芸能事務所、番組制作会社など多岐にわたり、サービス業が26.6%と最も多くを占めている。

■売上高3割減、純利益8割減、迫られる抜本的改革

 取引先の詳細を分析すると、未上場企業が92.5%、売上高10億円未満が39.6%、資本金1億円未満が73.7%と、中小零細企業が圧倒的多数を占めている。これらの企業は、元タレントのトラブルによるフジテレビの信頼低下の影響を直撃し、経営の存続が危ぶまれる状況にある。フジテレビの業績は、売上高が27.5%減、当期純利益は76.3%減と、急激な落ち込みを示している。

 フジテレビは現在、CM取りやめや広告出稿の減少など、深刻な経営危機に直面している。親会社フジHDの連結純資産は8,771億円、総資産は1兆4,756億円と財務的には健全に見えるものの、信頼回復の遅れは視聴者、スポンサー、取引先からの撤退リスクを高めている。

 この状況は、単なるフジテレビの問題にとどまらず、グループ全体の経営基盤を揺るがす可能性がある。約1万社に及ぶ取引先の多くが小規模事業者であるため、信頼回復の遅れは、メディア、コンテンツ、不動産、観光など、フジHDの多角化事業全体に深刻な影響を及ぼす可能性が高い。今後、グループの存続をかけた抜本的な対策が求められている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る