綿半ホールディングスは25年3月期3Q累計大幅増益で通期再上振れの可能性、配当予想上方修正と自己株式取得も発表

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は1月30日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅増益だった。小売事業における物流コスト削減や、建設事業における大型案件の順調な進捗などが牽引した。そして通期も大幅増益予想(24年10月25日付で上方修正)としている。利益進捗率が高水準であり、通期会社予想に再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお配当予想上方修正(期末に上場10周年記念配当を実施)と自己株式取得(1月31日のToSTNeT―3で取得)も発表した。株価は24年12月の直近安値圏から急反発して戻り歩調の形だ。好業績に加え、配当予想上方修正や自己株式取得も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期3Q累計大幅増益、通期再上振れの可能性

 25年3月期第3四半期累計(24年4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.0%増の1009億67百万円、営業利益が37.4%増の29億95百万円、経常利益が29.5%増の32億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が41.0%増の21億46百万円だった。大幅増益だった。

 小売事業における物流コスト削減や、建設事業における大型案件の順調な進捗などが牽引した。なお特別利益では前期計上の固定資産売却益1億87百万円が剥落したが、負ののれん発生益51百万円を計上した。特別損失では前期計上の減損損失1億33百万円が剥落した。

 小売事業は売上高が0.7%増の605億52百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が60.7%増の17億73百万円だった。売上高は全体としては前年並みにとどまったが、物流コスト削減等により収益性が向上して大幅増益だった。

 建設事業は売上高が16.4%増の337億96百万円、利益が107.0%増の13億11百万円だった。大幅増収増益だった。リニューアル分野の大型案件が順調に進捗した。

 貿易事業は売上高が5.1%減の57億12百万円で、利益が41.1%減の6億01百万円だった。納入時期のズレの影響で減収減益だった。その他事業(不動産事業等)は売上高が4.1%減の9億06百万円、利益が45.7%減の59百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が318億26百万円で営業利益が8億26百万円、第2四半期は売上高が334億44百万円で営業利益が9億29百万円、第3四半期は売上高が356億97百万円で営業利益が12億40百万円だった。

 通期の連結業績予想(24年10月25日付で上方修正)は据え置いて、売上高が24年3月期比5.4%増の1350億円、営業利益が24.0%増の35億円、経常利益が14.3%増の37億円、親会社株主帰属当期純利益が10.6%増の20億50百万円としている。配当予想は1月30日付で期末5円上方修正(上場10周年記念配当を実施)し、24年3月期比6円増配の29円(期末一括、普通配当24円+記念配当5円)としている。10期連続増配予想で予想配当性向は28.2%となる。

 通期も大幅増益予想としている。建設事業の工事が順調に進捗し、小売事業の収益性向上も寄与する見込みだ。第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が86%、経常利益が87%、親会社株主帰属当期純利益が105%である。利益進捗率が高水準であり、通期会社予想に再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお1月30日付で自己株式取得(上限60万株または9億78百万円)を発表した。1月31日の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT―3)で取得する。

■株価は上値試す

 株価は24年12月の直近安値圏から急反発して戻り歩調の形だ。好業績に加え、配当予想上方修正や自己株式取得も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。1月30日の終値は1630円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS102円76銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の29円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1143円40銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約325億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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