三井物産、豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益40%を取得、同社過去最高額の8000億円の投資

■2030年生産開始へ、アジア市場への供給強化を目指す

 三井物産<8031>(東証プライム)は2月19日、豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益40%を取得すると発表。同取引は、VOC Group Limitedから25%、AMB Holdings Pty Ltdから15%の権益を取得する二つの契約で構成され、総額5,342百万米ドル(約8,000億円)に達する。同事業は西豪州ピルバラ地域に位置し、世界最大級の未開発鉄鉱床として68億トンの資源量を有している。2030年の生産開始を予定し、三井物産の持分権益生産量は最大で40百万トン/年以上に拡大する見込みである。

 同事業の開発および操業はRio Tintoが担い、既存インフラの活用や鉱石のブレンディングによるシナジー創出が期待されている。三井物産が参画するRobe River鉄鉱石事業と地理的に近接しており、鉄道や港湾などの共同利用が可能となる。これにより、事業の効率化と安定的な供給の確保が進むとみられる。

 同社は中期経営計画2026のもと、Industrial Business Solutionsを成長戦略の一環として推進している。本事業を通じて、アジア市場への鉄鉱石供給の安定化に貢献し、日本を含む各国の経済成長を支える方針である。Rio Tintoが販売する鉄鉱石とブレンドされ、アジア各国へ輸出される予定である。

 同権益取得に伴い、三井物産はキャッシュ・フロー・アロケーションの枠組みで追加資金4,000億円をマネジメント・アロケーションに充当する。これにより、残額は5,500億円となり、成長投資と株主還元のバランスを維持しながら、今後の事業展開を進めていく。なお、本件取得による2025年3月期の連結業績への影響は軽微とされている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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