【世界市場を覆う不安】トランプ発言、独選挙、エヌビディア決算…市場は「神経質」モード

■トランプ大統領の発言が地政学リスクを高め、神経質な市場展開へ

 国際情勢の緊張が高まる中、世界の株式市場は新たな局面を迎えようとしている。米国のトランプ前大統領はゼレンスキー・ウクライナ大統領を厳しく批判し、一方でプーチン・ロシア大統領への評価を示唆する発言を行った。これにより、ウクライナ情勢を巡る不透明感が一段と強まっている。

■独選挙での極右台頭やエヌビディア決算が株式市場に影響

 週明けの市場では、まずドイツ連邦議会選挙の結果が注目される。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持拡大が懸念されており、選挙結果次第では欧州全体の政治的安定性が揺らぐ可能性がある。ユーロ相場の下落リスクも意識されている。

 続いて、市場の関心はエヌビディアの決算発表に移る。AI開発向け新製品「ブラックウェル」の収益動向が焦点となり、中国向け輸出規制の影響も含め、業績見通しが市場予想を上回るかどうかがテクノロジー株全体の方向性を左右するだろう。

■米PCE価格指数の鈍化が金融政策のカギに

 週末にかけては、米国の個人消費支出(PCE)価格指数の発表も控えている。前回の+2.8%から+2.6%程度への鈍化が予想されており、市場予想と一致するか、もしくは下振れすれば、FRBの追加利下げ期待が高まる可能性がある。その場合、円高・ドル安が進む展開も想定される。

■重要イベントに加え、地政学リスクの高まりも

 週明け以降の株式市場は、これら重要イベントに加え、トランプ前大統領の発言による地政学リスクの高まりを背景に、神経質な展開が予想される。特に、ドイツ選挙での極右台頭やエヌビディアの決算内容次第では、世界的な株安に発展する可能性もある。一方で、米PCE価格指数が市場予想を下回れば、金融緩和期待が高まり、株式市場を下支えする要因となるかもしれない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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