
■金先物史上最高値&為替の反転で「リスクオフ」から「妙味株」へシフト
◆テーマ(1):金価格上昇に連動する産金・貴金属関連株
金先物価格が1トロイオンス=4137ドルと史上最高値を更新する中、産金や貴金属の回収・再資源化関連銘柄が強い関心を集めている。中核となるのは、国内外で産金活動を展開する住友金属鉱山<5713>(東証プライム)や三井金属<5706>(東証プライム)、三菱マテリアル<5711>(東証プライム)といった資源大手で、業績上方修正後もさらなる利益上振れ期待が高まっている。
また、多鉱種を手がけるDOWAホールディングス<5714>(東証プライム)、金再資源化に特化したアサカ理研<5724>(東証スタンダード)やイボキン<5699>(東証スタンダード)なども、市況上昇の恩恵を直接享受できる構造を持つ。
さらに、中外鉱業<1491>(東証スタンダード)は投機的な値動きで注目されやすく、AREホールディングス<5857>(東証プライム)や松田産業<7456>(東証プライム)、JX金属<5016>(東証プライム)といったリサイクル系企業も、金価格の高止まり局面で業績拡大が視野に入る。
◆テーマ(2):リユース市場で金価格恩恵を受ける再販系銘柄
金価格の上昇は、リユース市場にも波及している。店舗型の老舗であるハードオフコーポレーション<2674>(東証プライム)をはじめ、ブランド買取に強みを持つコメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)やゲオホールディングス<2681>(東証プライム)は、貴金属の中古取扱量増加による収益押し上げが期待される。
また、リユース業界の成長株として評価されているトレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)や、地域密着型の買取王国<3181>(東証スタンダード)も買い取り需要の高まりに応える体制を整えている。
加えて、訪問買取やEC販売を融合させたBuySell Technologies<7685>(東証グロース)やマーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)、そしてフリマアプリで圧倒的な個人間取引実績を持つメルカリ<4385>(東証プライム)も、テーマ株として再浮上する公算が大きい。
◆テーマ(3):円高メリット株――電力・SPA・100円ショップの注目度上昇
為替が1ドル=152円前後で安定する中、円高メリットが再評価されつつある。なかでも低PER・高配当の東北電力<9506>や中国電力<9504>、北陸電力<9505>、九州電力<9508>、四国電力<9507>、関西電力<9503>、中部電力<9502>、J-POWER<9513>といった電力株は、相対的な割安感から買い戻しが進む可能性がある。
加えて、海外生産比率の高いファーストリテイリング<9983>やアンドエスティHD<2685>などのSPAアパレル株、家具・雑貨のニトリホールディングス<9843>や良品計画<7453>、パン・パシフィック・インターナショナル<7532>、外食や食品関連ではサイゼリヤ<7581>、神戸物産<3038>、ラクト・ジャパン<3139>、正栄食品<8079>も、円高が仕入コストの改善要因となる。
さらに、100円ショップのキャンドゥ<2698>、ワッツ<2735>、セリア<2782>は、典型的な円高恩恵業種として、利益率改善が見込まれる。
◆テーマ(4):テクニカル反発期待の主力ハイテク株――リターン・リバーサルに照準
3連休中の米株反発とともに、SOX指数も2%超の上昇を見せたことから、前週大きく売られた主力半導体株にリターン・リバーサルの機運が高まっている。ソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)は、ハイテク投資の回復期待からリスク選好の対象となりやすく、アドバンテスト<6857>(東証プライム)や東京エレクトロン<8035>(東証プライム)といった半導体関連の中核銘柄は、指数連動での反発が見込まれる。米中摩擦への警戒は残るものの、テクニカル的な下げ過ぎ修正の動きに注目が集まりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)