アストロスケールがストップ高、防衛省から72.7億円で機動対応宇宙システム実証機を受注

■高機動性・小型・光通信実証を特徴とする静止小型実証衛星の設計・試作へ

 アストロスケールホールディングス<186A>(東証グロース)は2月27日、100円高(14.39%高)の795円とストップ高している。同社は本日、防衛省より機動対応宇宙システム実証機の試作を72.7億円(税込)で受注したと発表。同社にとって安全保障・防衛分野への初参入となる今回のプロジェクトは、2025年3月から2028年3月までの期間で実施される。将来の静止軌道上での宇宙領域把握をはじめとする技術の軌道上実証を目的とした「静止小型実証衛星」の設計とプロトフライトモデルの試作・試験を行う。

 実証機は高機動性と小型化を特徴とし、光通信の実証も行う予定だ。アストロスケールがこれまで培ってきたランデブ・近傍運用(RPO)技術を活用し、静止軌道での観測能力の向上を図る。光通信技術により、軌道上での高速データ伝送や安定した通信が可能となる。なお、今回の契約は実証機の試作に関するもので、実際の運用等は含まれていない。

 加藤英毅社長は「安全保障分野は非防衛系政府向け事業、将来の商用事業と並ぶ3本の事業の一つとして育てていく」と述べた。アストロスケールは衛星の寿命延長、故障機の観測・点検、デブリ除去など多様な軌道上サービスを提供する企業で、これまでJAXAや米国宇宙軍、欧州宇宙機関などとのミッションに参加してきた。今回の受注を通じて、日本の宇宙運用における安全と持続可能性への貢献を目指していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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