【編集長の視点】GMOメディアは反落も3Q好決算を見直し直近IPO株買いが再燃余地

編集長の視点

GMOメディア<6180>(東マ)は、155円安の4985円と3営業日ぶりに反落して始まっている。同社株は、今年11月5日につけた上場来安値4750円から800円幅の底上げをしたが、きょう10日の日経平均株価が、海外株安が響いて185円安と5営業日ぶりに反落してスタートしていることもあり、目先の利益を確定する売り物に押されている。ただ、同社は、今年10月23日の新規株式公開(IPO)後の初決算として、10月30日に発表した今12月期第3四半期(3Q)決算が、12月通期予想業績に対して高利益進捗率示したことを見直して下げ過ぎとして寄り付きの安値から下げ幅を縮めており、直近IPO株買いを再燃させる展開を強めそうだ。

■「ポイントタウン」の会員数が200万人を突破し成功報酬型広告が好調に推移

3Q業績は、売り上げ27億1900万円、経常利益3億2200万円、純利益2億800万円で着地した。四半期決算が初作成となるため前年同期比較はないが、IPO時に発表した12月通期業績に対する進捗率は、売り上げが77%と目安の75%を上回り、経常利益、純利益は、9カ月の実績で年間予想をすでにそれぞれ400万円上回った。

同社は、ポイントサイト「POINT Town(ポイントタウン)」などを無料提供するメディア事業やインターネット広告を配信するソーシャルメディア事業を展開しており、「ポイントタウン」の会員数が、今年9月末で200万人を突破し、会員は無料でポイントを貯められる一方、同サイト経由のネット通販会社向けの成功報酬型広告が好調に推移し、ソーシャルメディア事業でも、若い女性を中心としたユーザー発信型メディアを展開、スマートフォン対応をさらに進めるとともに、アフェリエイト広告の掲載強化、動画広告の導入開始など媒体の収益化を高めたことなどが要因となった。

12月通期業績は、3Q決算がおおむね予想通りとしてIPO時予想を変更せず、売り上げ35億2200万円(前期比5.9%増)、経常利益3億1800万円(同16.8%増)、純利益2億400万円(同39.9%増)と見込んでいる。期末配当も、54円として継続予定にある。

■ネット系のIPO株では相対的に低PER、稀少な有配会社として初値水準から再発進

株価は、ネット系のIPO株として相対的に割安で数少ない有配会社であることが評価されIPO初日は買い気配のまま推移、2日目に5510円で初値をつけ即ストップ高、翌日のストップ高を交えて上場来高値8920円まで買い進まれる高人気となった。最高値からは、日本郵政<6178>(東1)グループ3社のIPOで新興市場からの資金流出が懸念されるとして初値を下回る同安値4750円まで突っ込んだ。足元では、初値水準までリバウンドしてもみ合っているところで、なお下げ過ぎとして最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻し、半値戻しと一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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