【編集長の視点】ヨコレイは続落も2Q増益転換業績を手掛かりに割り負け訂正へ向け押し目買い妙味

ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日3日に23円安の924円と4営業日続落して引けた。同日の日経平均株価が、米国と中国、メキシコとの通商摩激化を嫌って190円安と4営業日続落しほぼ4カ月ぶりの安値まで売られたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ下値は、25日移動平均線水準で下げ渋る動きもみせており、今年5月14日に発表した今2019年9月期第2四半期(2018年10月~2019年3月期、2Q)累計業績が、増益転換して着地したことを手掛かりに、9月期通期純利益が2期ぶりに過去最高更新することを見直し割り負け期待の押し目買いも交錯した。テクニカル的にも、5月14日に突っ込んだ年初来安値829円からの急伸で5日移動平均線が25日移動平均線を上抜き、次にその25日線が75日移動平均線を上回るゴールデンクロスを相次いで示現、上昇トレンド転換を示唆したこともサポート材料視されている。


■羽田、名港の新設物流センターが次々とフル稼働して保管料・荷役料収入が寄与

 同社の今期2Q累計業績は、前年同期比12.9%減収、1.4%営業増益、7.3%経常増益、9.4%純益増益で着地し、売り上げは減収転換したが、利益は増益転換した。食品販売事業の売り上げが、ノルウェーから欧米への鮭鱒輸出事業の計上基準を変更したことの影響で減収転換したが、冷蔵倉庫事業では、昨年2月新設の東京羽田物流センターや同11月新設の名港物流センターがフル稼働して保管料・荷役料収入の増加に貢献し、食品販売事業ではサバやカニが収益に寄与してイカ、ホッケの落ち込みをカバー、新物流センター操業開始の一時経費や減価償却費増を吸収したことが要因となった。

 今9月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ1500億円(前期比12.7%減)、営業利益58億円(同20.2%増)、経常利益60億円(同11.7%増)、純利益37億円(同10.7%増)と増益転換を見込み、純利益は、過去最高の33億6000万円(2017年9月期)を2期ぶりに更新する。

 この新物流センターの積極的な増強は、同社が現在進めている第6次中期経営計画に基づいており、昨年12月に着工したつくば物流センター(茨城県つくば市)が、2020年2月に竣工すると同社の国内外合わせた収容能力は100万トンを突破する。同中期計画の最終年度(2020年9月期)の目標業績の売り上げ1600億円、営業利益70億円の達成に向けた大きな成長エンジンとなる。

■ミニGC、GCを示現して上昇トレンド転換を鮮明化し昨年1月高値を奪回

 株価は、米中貿易摩擦の激化を嫌った令和相場入り後の急落とともに年初来安値829円まで急落し、この時に開示した今期2Q累計業績の増益転換とともに売られ過ぎとして987円まで160円高して大きく底上げした。テクニカル的にも、この急伸で5日線が25日線を下から上に抜けるミニGCを示現し、次いで25日線が75日線を上抜くGCも示現して上昇トレンド転換を鮮明化させた。足元では、25日線で下値を探る展開となっているが、PERは14倍台、PBRに至っては0.70倍となお割り負けており、直近高値の987円抜けから昨年1月高値1206円を奪回し、1株純資産1304円を目指す展開も見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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