【市場急変の実態】「トランプ・トレード」から「トランプ・ショック」へ

■「トランプ・ショック」で市場大揺れ

 「トランプ・トレード」として期待を集めた市場の流れが「トランプ・ショック」へと一変し、投資家の間に動揺が広がっている。3月13日の米国市場では、S&P500種株価指数が今年2月の最高値から10%以上下落し「調整局面」に突入した。ナスダック総合株価指数も15%の下落を記録し、「弱気相場」の目安となる20%下落に迫った。この急変はトランプ政権による追加関税措置が引き金となり、各国の報復関税を招く懸念から、インフレ再燃や景気後退リスクが高まったためだ。翌14日には日経平均株価が263円高、NYダウも674ドル高と反発したが、市場の安定を意味するものではない。政権の動向次第で市場が大きく揺れる可能性は否定できず、投資家心理の不安定さを反映し銘柄選別の動きが活発化している。

■期待と現実のギャップが市場を混乱させる

 トランプ政権発足当初、市場は法人税減税やインフラ投資政策への期待から米株高・ドル高の強気相場を形成した。しかし、保護主義政策の影響が現れ始めると市場は不安定化した。輸入コスト上昇による企業業績悪化や、貿易量縮小による成長鈍化リスクが高まっている。さらに「ドル安誘導」への疑念も市場に打撃を与え、大統領の発言や政策が市場の期待と食い違う場面が増え、投資家の不信感を助長した。S&P500種指数の時価総額も大幅に減少し、楽観的なムードで進んだ「トランプ・トレード」は、反動として「トランプ・ショック」による急落を引き起こした。これは政策への過剰期待と現実とのギャップが生んだ典型的な市場反応といえる。

■今後の市場は貿易政策の行方がカギ

 市場が今後どの方向へ進むかは、トランプ政権の政策次第だ。貿易戦争の激化は世界経済に広範な影響を及ぼすため、関税政策の変更や新たな交渉の行方に注目が集まる。米中対立の深刻化はもちろん、EUや日本との通商交渉も市場の鍵を握る要素となるだろう。短期的な市場変動に加え、投資家はより長期的視点での投資戦略見直しを迫られている。米国の景気後退リスクが高まる中、安全資産へのシフトが進むのか、あるいは市場が再び「トランプ・トレード」のような強気相場を形成するのか。今後の市場の動きは、引き続きトランプ政権の一挙手一投足に左右されることになりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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