QPS研究所、JAXAの宇宙戦略基金事業に採択、最大84億6500万円の交付金を受領

■36機体制の小型SAR衛星ネットワーク構築に向けた一歩

 QPS研究所<5595>(東証グロース)は3月24日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が設立した宇宙戦略基金事業における「商業衛星コンステレーション構築加速化」技術開発テーマに採択されたと発表。これに伴い、同社はJAXAから交付決定通知書を受領し、2029年3月までの実施期間において、当初84億6500万円の交付金を受けることが決定した。具体的には、小型SAR衛星の量産加速化および競争優位性の確立を目指した技術開発を推進する。

 同事業では、年間6機以上の信頼性の高い小型SAR衛星の量産体制を整備し、早期に36機体制のコンステレーション構築を目指す。また、製造コストと運用コストの削減、刈幅拡大や高分解能化といった次世代機へのスペック向上を進める。加えて、観測からプロダクト提供までの時間短縮にも注力し、より迅速なサービス提供を実現する。

 今期2025年5月期の業績への影響は軽微と見込まれるものの、同社の財務基盤の強化や事業計画への重要な影響が予想される。交付金の主な用途はQPS-SAR22号機以降の製造および打上げ費用とされ、今後のステージゲート評価によって交付金額は見直される予定である。同社は引き続き慎重に検討を進め、必要に応じて速やかに情報開示を行う方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る