ホンダ、神奈川県・小田原市と自動運転技術実証実験の協定締結、傾斜地での「地図レス協調運転技術」検証へ

ホンダ HONDA 7267

■高齢化社会の新たな移動手段を模索

 ホンダ<7267>(東証プライム)は3月31日、神奈川県及び神奈川県小田原市と「交通課題解決に向けた自動運転技術の実証実験に関する協定」を締結したと発表。この協定は、自動運転技術の進化を図り、地方都市の交通課題解決を目指すものである。ホンダの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所が、両自治体と協力して小田原市における交通課題の分析や解決策の検討、そしてホンダ独自の協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence)」を用いた自動運転技術の実証実験を実施する。

 近年、少子高齢化によるドライバー不足や利用者減少に伴い、公共交通機関の減便や路線廃止が発生している。特に坂道や傾斜地の多い地域では、高齢者の運転免許返納後の移動手段確保が課題となっており、交通弱者問題の深刻化が予想される。こうした背景から三者が協定を結び、小田原市の交通課題解決に向けた取り組みを開始することになった。

 ホンダのCI自動運転技術は、高精度地図や大規模なインフラ整備を必要としないため、様々な環境での活用が期待できる。今回の協定では「レトロフィット型のアプローチ」を採用し、既存の町に先端技術を加えることで活性化を図る方針である。具体的には「県西地域自動運転バス導入研究会」に参画し、自動運転の技術実証実験に向けた企画立案や調整を行う。

 さらに、CIのさらなる技術進化に向けて、小田原市内でCI自動運転技術の実証実験を実施する。ホンダのCI自動運転は「地図レス協調運転技術」を搭載しているが、傾斜地ではカメラによる進行方向の見通しが難しく自動走行の難易度が上がる。そこで平野部と箱根山地や曽我丘陵を有する起伏に富んだ地形の小田原市内で技術実証実験を行い、傾斜地への適合性および有効性を検証し、技術の進化を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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