【どう見るこの株】アミタホールディングスは連続2ケタ増益・増配を手掛かりに売られ過ぎ修正買いへ

■トランプ関税ショック乗り越え急浮上

 アミタホールディングス<2195>(東証グロース)は、前日8日に14円高の277円と前々日7日に売られた年初来安値263円から5営業日ぶりに急反発して引けた。同社株は、「トランプ関税」発動による世界同時株安や世界的な半導体株安に巻き込まれ下値を探る動きが続いていたが、この日の日経平均株価が、1876円高と過去4番目の上げ幅で4営業日ぶりに大幅反発したことから、同社の今2026年12月期業績が、連続2ケタ増益と見込まれ、配当も増配を予定していることを見直し売られ過ぎ修正買いが高まった。業績実態的にもPERが9.2倍と低評価で、テクニカル的にも年初来高値415円から36%超調整し、25日移動平均線から14%超のマイナスかい離となっており、下げた株ほど良く戻すとする「リターン・リバーサル」妙味を示唆するとしてフォローの材料視されている。

■セメント向け代替燃料の取扱高が続伸し昨夏稼働のシリコンリサイクル設備もオン

 同社の今2026年12月期業績は、売り上げ52億9600万円(前期比7.4%増)、営業利益6億5300万円(同38.0%増)、経常利益7億5700万円(同35.7%増)、純利益5億2600万円(同24.4%増)と2ケタ続伸が見込まれている。セメント産業向けの代替燃料中心の姫路循環製造所やパートナーの愛知海運の蒲郡リサイクルS.C.の取扱量が引き続き増加し、昨年7月に稼働を開始した北九州循環製造所のシリコンリサイクル設備が、昨年12月に台湾積体電路製造(TSMC)の熊本第1工場が量産を開始した恩恵を受け、海外事業もマレーシア、インドネシアでの取組を強化することなどが要因となる。配当は、年間5円(前期実績4円)へ増配を予定している。

 このなかでとくにシリコンリサイクル事業については、TSMCは熊本第1工場の量産開始に次ぎ第2工場の建設も進めており、その2工場の総投資額は200億ドル(約3兆円)にも達し、これに牽引されて周辺エリアには半導体関連企業が大挙進出する「シリコンアイランド九州」として集積しており、同社ビジネスにも追い風となる。ただTSMCは、成熟世代の半導体の需要伸び悩みとトランプ関税の影響見極めなどから熊本工場への半導体製造装置の搬入スペースを抑制しているとも伝えられており、これがいつ一巡するか株価に織り込み済みとなるかが次のポイントとなる。

■PER9倍、25日線から14%下方かい離の「陰の極」から底上げに弾み

 株価は、昨年12月のTSMC熊本第1工場の量産開始を手掛かりに年初来高値415円まで約30%高する急騰を演じ、その後はほぼ往って来いとなる320円台で下値確認運動を続け、世界同時株安とともにこの下値サポートラインを割って年初来安値263円へ突っ込んだ。PERは9.2倍、25日移動平均線からは14%超のマイナスかい離、年初来高値からは約36%の下値調整と売られ過ぎ、「陰の極」を示唆しており、底上げに弾みをつける展開が想定される。まず年初来高値から同安値への調整幅の半値戻し339円奪回に動き、全値戻しを目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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