花王など9社、業界を超えた連携でケミカルリサイクルの原料を非食品用途PETへ拡大

■飲料用ボトル再生に化粧品ボトルや工業用フィルムを活用

 花王<4452>(東証プライム)をはじめとする9社は4月21日、非食品用途のPET素材を用いたケミカルリサイクルによって、飲料用ペットボトルなどへ再生する取り組みを開始したと発表。従来、リサイクル原料は食品用途のみに限定されていたが、同プロジェクトでは化粧品ボトルや工業用フィルム、自動販売機商品サンプルといった非食品用途PETを活用することで、資源循環の範囲を広げる。これは国内初の試みであり、JEPLANの技術を基盤に、各社が連携して実施する。

 同取り組みでは、TDK<6762>(東証プライム)や村田製作所<6981>(東証プライム)が工業用PETフィルムを、花王およびファンケルが回収した化粧品ボトルを、キリンビバレッジが自動販売機の不要サンプルを提供し、ペットリファインテクノロジーがこれらを分子レベルで分解するケミカルリサイクルを行う。その後、再生されたPET樹脂は、アサヒ飲料やキリンビバレッジの飲料用ボトル、花王やファンケルの化粧品ボトルへと活用される予定である。採用は順次進められ、キリンビバレッジが4月、花王が5月、アサヒ飲料が10月以降を予定している。

 同プロジェクトでは、JEPLANが保有するリサイクル技術に加え、キリンのパッケージイノベーション研究所が食品容器としての安全性評価手法を提供したことで、各社が連携し安全性を確保した上で実現に至った。従来のリサイクルでは解決できなかったプラスチック資源循環の課題に対応するとともに、将来的なGHG排出量の削減にも寄与する。花王は中期経営計画「K27」のビジョンに基づき、持続可能な社会の実現に貢献する姿勢を明確にしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る