【どう見るこの株】プログレス・テクノロジーズ グループは大幅増益転換業績を手掛かりに直近IPO株買いが交錯

どう見るこの株

 プログレス・テクノロジーズ グループ<339A>(東証グロース)は、前日30日に60円安の1468円と急反落して引けた。同社株は、今年3月28日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、4月7日には世界同時株安に巻き込まれて上場来安値1222円まで調整し、IPO後の初決算として4月14日に2月期決算を発表し、今2026年2月期業績を連続2ケタ増収・2ケタ増益転換と予想したことを手掛かりに前々日に1555円の戻り高値までリバンドしており、この日は、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ30日朝方には1548円と買われる場面もあり、割安として直近IPO株買いも交錯した。テクニカル的にも、IPO時につけた上場来高値1980円から上場来安値への調整幅の3分の1戻しをクリアしており、半値戻し、全値戻しへ勢いがつくとフォローの材料視されている。

■ソリューション事業では高収益案件に傾注し新卒採用も90名と積極継続

 今2026年2月期業績は、売り上げ63億8800万円(前期比13.1%増)、営業利益15億8000万円(同72.7%増)、経常利益15億1800万円(同79.8%増)、純利益10億5000万円(同79.8%増)と利益のV字回復が予想されている。同社は、自動車、半導体、精密機械、医療、重工業・建機のエンタープライズ企業向けに製品開発プロセスの上流工程における設計・開発領域に特化してデジタル技術導入を支援するソリューション事業を主力事業としており、大手メーカー各社では生産性向上や競争力強化のためにDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資意欲が高水準で推移する好事業環境が続いており、より収益性の高い案件に人的ソースを傾注しの今期の新卒採用も、前期の約80名に続き90名と積極継続することなどが寄与する。前期に計上した知的財産損害賠償請求事件の和解金5億円が一巡することも要因となる。

 また昨年7月に群馬県太田市に開所した技術研究所で、高性能ドライビングシミュレーターのバーチャルテスト環境をアジアで初めて提供するデジタルツイン事業をスタートさせており、自動車メーカーが試作車1台に数千万円から1億円を投資するのを「試作車ゼロ」にすることを支援することも業容拡大の成長戦略になる。同事業は、前期に1億6000万円の売り上げを計上したが続伸が有力となる。

■PER10倍の修正で上場来高値調整幅の半値戻し、全値戻しを期待

 株価は、公開価格1950円でIPOされ1980円で初値をつけたあと、世界同時株安の荒波に巻き込まれて上場来安値1222円へ売られ、売られ過ぎとして1539円までリバウンドしたあと1400円台固めを続け一段の戻りを窺い高値もみ合いを続けている。足元の株価水準は、上場来高値から上場来安値への調整幅の3分の1戻しを達成しているが、PERは10.7倍となお割安なことから半値戻し、全値戻しと一段の上値復元に進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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