【どう見るこの株】フォースタートアップスは年初来高値に肉薄、3期ぶりの最高純益更新予想を見直し割安修正買い再燃

 フォースタートアップス<7089>(東証グロース)は、前日14日に66円高の1391円と急反発して引け、取引時間中には1410円まで買い進まれ今年5月12日にストップ高してつけた年初来高値1420円に肉薄した。同社株は、今年5月9日に発表した3月期決算で、今2026年3月期業績の続伸を予想し、純利益が3期ぶりに過去最高更新と見込まれたことを手掛かりにストップ高し、前々日13日には利益確定売りで1290円と売られる場面もあったが、この日の陽線包み足状のチャート形成が目先売り一巡を示唆するとして割安修正買いが再燃した。決算発表と同日に広島県の「令和7年度海外スタートアップ等連携実証プロジェクト創出業務」への採択が開示されたことも、新規事業との相乗効果を発揮するとして側面支援材料視されている。

■スタートアップ企業向けの人材紹介件数を増加させクロスセールも強化

 今2026年3月期業績は、売り上げ43億円(前期比16.4%増)、営業利益6億5000万円(同43.5%増)、経常利益6億4000万円(同42.5%増)、純利益5億円(同41.3%増)と大幅続伸が予想され、純利益は、2023年3月期の過去最高(4億4200万円)を3期ぶりに更新する。同社は、スタートアップ企業の経営支援サービスを展開しており、「スタートアップ冬の時代」といわれた2023年から2024年にスタートアップ企業の資金調達額が持ち直す事業環境下、スタートアップ企業向けに人材を紹介するヒューマンキャピタルサービスでは、紹介件数を増加させ、コンサルティングのオープンイノベーションサービスでは、クロスセールスを強化し、社員数も前期の230名から260名へ増員を計画し、4月に新卒社員が17名入社したことなどが寄与する。

 この業績予想には、今年4月に発表した三井住友銀行とのスタートアップ企業向けの出口戦略の多様化連携や、米国Deel社との国内スタートアップ企業のグローバルチーム組成加速の戦略的パートナー契約などの新規事業は織り込まれていないとしている。また広島県から採択された「海外スタートアップ等連携実証プロジェクト業務」は、インドをフィールドに環境・エネルギー分野で県内企業と海外スタートアップとの連携機会の提供、事業創出・実行を目指し、今年6月に募集イベントの開催を予定しているもので、業績押し上げ効果も期待される。

■PER9倍の東証G市場ランキング32位から次の上値フシ昨年1月高値を目指す

 株価は、今年2月に前期業績を下方修正したが、同時発表の自己株式取得枠拡大でカバーして1182円高値まで買い進まれトランプ関税による世界同時株安で年初来安値832円と調整した。同安値からは売られ過ぎとして底上げし、前期業績の一転した上方修正も加わり1100円台までリバンドし、今期純利益の3期ぶり過去最高更新予想でストップ高して年初来高値追いとなった。PERはなお9.2倍と割安で、東証グロース市場の低PERランキングの第32位にランクインするだけに、年初来高値抜けから次の上値フシとして2024年1月高値1740円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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