イトーキは25年12月期1Q大幅増益と順調、ワークプレイス事業がオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収

 イトーキ<7972>(東証プライム)は5月2日に25年12月期第1四半期連結業績を発表した。増収・大幅増益と順調だった。ワークプレイス事業がオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収となり、提供価値向上による利益率改善も寄与した。そして通期の2桁増益予想を据え置いた。ワークプレイス事業の好調が牽引する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、その後は急反発し、水準を切り上げて一気に年初来高値を更新した。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年12月期1Q大幅増益と順調、通期2桁増益で連続大幅増配予想

 25年12月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比4.5%増の427億44百万円、営業利益が22.9%増の74億22百万円、経常利益が21.7%増の73億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が19.9%増の49億16百万円だった。

 増収・大幅増益と順調だった。設備機器・パブリック事業は物流施設向け設備案件の着工・竣工遅れの影響を受けたが、ワークプレイス事業がオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収となり、提供価値向上による利益率改善も寄与した。営業利益14億円増益の要因分析は、売上増加に伴う利益増加が7億円増(うちワークプレイス事業の増収による利益増加は11億円増)、売上総利益率改善が16億円増(イトーキ単体ベースの売上総利益率は空間設計・コンサル・デザインから手掛けるオフィス案件の獲得や24年7月のカタログ改定効果により1.6ポイント上昇)、販管費の増加が9億円減(業容拡大に伴う人件費の増加、DX推進のためのIT基盤強化)だった。

 ワークプレイス事業は、売上高が8.9%増の346億03百万円で、営業利益が33.5%増の70億15百万円だった。ハイブリッドな新しい働き方にあわせたオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収となり、提供価値向上による利益率改善も寄与した。

 設備機器・パブリック事業は、売上高が11.6%減の77億63百万円で、営業利益が50.0%減の3億73百万円だった。資材高・人員不足等を背景とする物流施設向け設備案件の着工・竣工遅れの影響を受けた。

 その他は売上高が4.7%増の3億77百万円、営業利益が6.2%減の33百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が24年12月期比4.7%増の1450億円、営業利益が14.1%増の115億円、経常利益が14.9%増の115億円、親会社株主帰属当期純利益が11.4%増の80億円としている。配当予想は24年12月期比10円増配の65円(期末一括)としている。連続大幅増配で、予想配当性向は40.0%となる。

 2桁増益で連続大幅増配予想としている。引き続きワークプレイス事業の好調が牽引する見込みだ。セグメント別の計画は、ワークプレイス事業の売上高が9.5%増の1120億円で営業利益が19.3%増の96億円、設備機器・パブリック事業の売上高が8.9%減の315億円で営業利益が3.1%減の18億円としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお第1四半期の進捗率は売上高が29.5%、営業利益が64.5%、経常利益が63.6%、親会社株主帰属当期純利益が61.5%だが、ワークプレイス事業は企業のオフィス移転などにより、年度末にあたる第1四半期偏重の収益特性がある。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、その後は急反発し、水準を切り上げて一気に年初来高値を更新した。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月2日の終値は1782円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS162円59銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の65円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1001円13銭で算出)は約1.8倍、そして時価総額は約951億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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