建設技術研究所、25年12月期は1Q減益も通期増益予想を堅持、受注・売上高が順調に拡大

 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は5月13日に25年12月期第1四半期連結業績を発表した。投資強化による販管費増加等で減益だが、概ね順調に推移した。そして通期の増収増益予想を据え置いた。受注・売上高が順調に拡大し、販管費等の増加を吸収する見込みだ。国土強靭化関連など事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、4月の直近安値圏から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■25年12月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

 25年12月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比3.2%増の301億10百万円、営業利益が4.1%減の58億59百万円、経常利益が4.4%減の58億37百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.3%減の38億91百万円だった。

 投資強化による販管費増加等で減益だが、概ね順調に推移した。受注・売上高は過去最高と順調だった。グループ全体の受注高は1.9%減の240億16百万円だった。

 セグメント別(セグメント間取引消去前)に見ると、国内建設コンサルティング事業は受注高が7.2%増の174億94百万円、売上高が3.8%増の226億40百万円、営業利益が1.7%減の58億89百万円、海外建設コンサルティング事業は受注高が20.1%減の65億22百万円、売上高が1.2%増の74億69百万円、営業利益が29百万円の損失(前年同期は1億20百万円)だった。海外建設コンサルティング事業については、受注高は建設技研インターナショナルにおける契約遅れ、営業利益は英国の人件費増加などが影響した。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が前期比4.2%増の1000億円、営業利益が6.4%増の100億円、経常利益が4.9%増の100億円、親会社株主帰属当期純利益が2.3%増の69億円としている。グループ全体の受注高は5.9%増の1000億円の計画である。配当予想は75円(期末一括)としている。25年1月1日付の株式2分割を遡及換算すると24年12月期の75円(期末一括)と同額で、予想配当性向は30.2%となる。

 セグメント別(セグメント間取引消去前)の計画は、国内建設コンサルティング事業の受注高が1.9%増の670億円、売上高が3.1%増の690億円、営業利益が8.0%増の93億円、海外建設コンサルティング事業の受注高が15.1%増の330億円、売上高が0.9%増の310億円、営業利益が9.4%減の7億円としている

 引き続き受注・売上高が順調に拡大し、販管費等の増加を吸収する見込みだ。第1四半期の進捗率は受注高24%、売上高30%、営業利益59%、経常利益58%、親会社株主帰属当期純利益56%である。なお公共事業が主力で業務の進捗が年度末に集中するため、売上高および営業利益は第1四半期に偏重する収益特性がある。国土強靭化関連など事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、4月の直近安値圏から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。5月13日の終値は2452円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS248円55銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の75円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2213円71銭で算出)は約1.1倍、そして時価総額は約694億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  2. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  3. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  4. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  5. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  6. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る