ミロク情報サービス、サブスク型移行が成長牽引し増収増益、26年3月期も増収増益で連続増配予想

 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は5月13日に25年3月期連結業績を発表した。増収増益と順調だった。ERP製品のサブスクリプション型への移行に伴いソフトウェア使用料収入が大幅増収と牽引し、人件費の増加などを吸収した。そして26年3月期も増収増益で連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響を受けた4月の安値圏から反発して戻り歩調だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期増収増益と順調、26年3月期も増収増益で連続予想

 25年3月期の連結業績は売上高が前期比5.0%増の461億60百万円、営業利益が2.9%増の62億87百万円、経常利益が1.3%増の63億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.4%増の43億81百万円だった。配当は前期比5円増配の55円(期末一括)とした。連続増配で配当性向は37.6%となる。

 増収増益と順調だった。ERP製品のサブスクリプション型への移行に伴いソフトウェア使用料収入が大幅増収と牽引し、人件費の増加などを吸収した。

 品目別売上高は、システム導入契約売上高が0.2%減の239億95百万円(内訳はハードウェアが26.1%増の55億67百万円、ソフトウェアが11.2%減の113億79百万円、ユースウェアが3.6%増の70億49百万円)で、サービス収入が13.5%増の184億59百万円(内訳は会計事務所向け総合保守サービスTVSが1.9%増の26億12百万円、ソフトウェア使用料収入が33.3%増の75億49百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービスが2.1%増の60億73百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービスが6.7%増の16億89百万円、サプライ・オフィス用品が6.8%増の5億33百万円)だった。中堅・中小企業向けERP製品のサブスクリプション型への移行促進により、ソフトウェア使用料収入などストック型のサービス収入が大幅伸長した。その他は0.8%増の37億05百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が111億57百万円で営業利益が13億73百万円、第2四半期は売上高が115億92百万円で営業利益が15億94百万円、第3四半期は売上高が119億89百万円で営業利益が19億23百万円、第4四半期は売上高が114億22百万円で営業利益が13億97百万円だった。

 26年3月期の連結業績予想は売上高が前期比6.2%増の490億円、営業利益が6.6%増の67億円、経常利益が6.4%増の68億円、親会社株主帰属当期純利益が11.8%増の49億円としている。配当予想は前期比5円増配の60円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は36.7%となる。

 増収増益で連続増配予想としている。新規顧客獲得による顧客基盤の拡大、サブスクリプション型への移行加速、アップセル・クロスセルの推進などにより、人件費の増加などを吸収する見込みだ。なお、現在開発中のSaaS型の新ERP製品を26年3月期後半に提供開始予定である。サブスクリプション型への移行加速によってストック収益が積み上がることが予想され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響を受けた4月の安値圏から反発して戻り歩調だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月13日の終値は1939円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS163円71銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の60円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS978円29銭で算出)は約2.0倍、時価総額は約626億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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