巴工業、25年10月期2Q累計大幅増益、通期は再上振れの可能性、機械製造販売事業が牽引

 巴工業<6309>(東証プライム)は6月12日に25年10月期第2四半期累計連結業績を発表した。大幅増収増益だった。機械製造販売事業の大幅伸長が牽引した。通期の連結業績予想は6月6日付で上方修正し、前回予想に対して増収増益幅が拡大する見込みとしている。また配当予想も6月6日付で上方修正している。修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は高水準であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値圏だ。そして24年6月の最高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■25年10月期2Q累計大幅増益

 25年10月期第2四半期累計(24年11月~25年4月)の連結業績は、売上高が前年同期比17.8%増の313億16百万円、営業利益が25.5%増の37億11百万円、経常利益が23.9%増の37億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が20.0%増の25億65百万円だった。大幅増収増益だった。機械製造販売事業の大幅伸長が牽引した。

 機械製造販売事業は売上高が前年同期比21.0%増の88億37百万円、営業利益が60.0%増の18億86百万円だった。売上高の内訳は需要先別には国内官需が21.8%増の37億58百万円、国内民需が44.7%増の25億33百万円、海外が3.2%増の25億44百万円、製品別には機械が25.6%増の20億49百万円、装置・工事が12.3%増の11億78百万円、部品・修理が21.4%増の56億09百万円だった。国内官需が全般的に好調だったほか、国内民需の機械および部品・修理、海外の装置・工事なども伸長した。

 化学工業製品販売事業は売上高が前年同期比16.6%増の224億79百万円、営業利益が2.6%増の18億25百万円だった。製品別売上高は、合成樹脂関連が全般的な伸び悩みで18.8%減の19億50百万円、工業材料関連が建材・耐火物向け材料の伸び悩みで4.1%減の30億93百万円、鉱産関連が樹脂向け添加剤の大幅伸長で128.0%増の72億46百万円、化成品関連がコーティング用途向け材料の好調で19.8%増の53億85百万円、機能材料関連が半導体製造用途向け材料の伸び悩みで22.8%減の26億42百万円、電子材料関連が半導体組立用途向け材料の伸び悩みで11.0%減の21億59百万円だった。その他(洋酒等)は0百万円(前年同期は1億28百万円)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が150億86百万円で営業利益が17億93百万円、第2四半期は売上高が162億30百万円で営業利益が19億18百万円だった。

 通期連結業績予想は25年6月6日付で上方修正して売上高が前期比13.6%増の592億円、営業利益が12.7%増の53億円、経常利益が12.0%増の53億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が4.0%増の37億60百万円としている。

 前回予想(24年12月11日付の期初公表値、売上高570億円、営業利益49億60百万円、経常利益50億円、親会社株主帰属当期純利益36億20百万円)に対して売上高を22億円、営業利益を3億40百万円、経常利益を3億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億40百万円それぞれ上方修正した。

 配当予想については、25年6月6日付で期末1円上方修正し、第2四半期末73円、期末26円とした。なお25年5月1日を効力発生日として株式3分割を実施しており、株式3分割後に換算すると、24年10月期の48円33銭(第2四半期末21円、期末27円33銭)に対して、25年10月期は50円33銭(第2四半期末24円33銭、期末26円)となる。予想配当性向は40.1%である。

 通期は前回予想に対して増収増益幅が拡大し、売上高が2期連続過去最高、営業利益と経常利益が5期連続過去最高、親会社株主帰属当期純利益が2期連続過去最高となる見込みだ。化学工業製品販売事業の売上高が鉱産関連を中心に想定以上が見込まれるほか、利益面では機械製造販売事業の部品・修理の伸長も寄与する。修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が53%、営業利益が70%、経常利益が70%、親会社株主帰属当期純利益が68%と高水準であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価(1株当たり数値は25年5月1日付の株式3分割後)は年初来高値圏だ。そして24年6月の最高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。6月12日の終値は1506円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS125円61銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円33銭で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円57銭で算出)は約1.1倍、そして時価総額は約476億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る