【どう見るこの株】日本電技、連続最高益を更新、電子・半導体関連工場の大型案件好調が牽引

どう見るこの株

■連続最高業績見直しに半導体関連人気が底流し突っ込み買い交錯

 日本電技<1723>(東証スタンダード)は、前日3日に170円安の4315円と変わらずを含めて3営業日続伸して引け、東証スタンダード市場の値下がり率ランキングの第31位と売られた。東証スタンダード市場指数が、1.54ポイント安と3営業日続落したことから、今年6月18日に株式分割の権利落ち後高値4640円まで買い進まれていた同社株に目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただこの日の取引時間中につけた安値4275円からは小戻しており、突っ込み買いも交錯した。同社の今2025年3月期業績が連続過去最高と予想され配当も連続増配を予定していることを見直し、さらに電子・半導体関連工場の大型案件を手掛ける空調計装関連事業も好調に推移する半導体関連人気も手掛かり材料になっている。テクニカル的にも、分割権利落ち後に高値追いする過程で25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し、上昇トレンド転換を鮮明化し、この日の安値が、25日線水準で踏み止まったことも意識されている。

■過去最高の繰越工事高を抱え選別受注を継続し収益性を向上

 同社の今2026年3月期業績は、売り上げ435億円(前期比1.0%増)、営業利益92億円(0.9%増)、経常利益94億円(同1.0%増)、純利益64億5000万円(同0.6%増)と予想され、前期に続く過去最高更新となる。受注高は、働き方改革に伴う残業上限規制と工事余力を考慮して選別受注を進め410億円(同6.3%減)と計画しているが、前期から今期への繰越工事高が437億円(前年同期比6.6%増)と過去最高となっており、空調計装関連事業では電子・半導体関連工場の新規案件や首都圏の再開発事業の継続案件が引き続き好調に推移し選別受注効果で収益性が向上することなどが寄与する。

 なお同社は、この3月期決算とともに中期経営計画の目標業績の上方修正も発表しており、最終年度(2028年3月期)の受注高を453億円から468億円へ、売り上げを450億円から468億円へ、営業利益を80億円から95億円にそれぞれ引き上げた。今期配当は、昨年12月31日を基準日に株式分割(1株を2株に分割)を実施し、前期配当は分割を考慮すると年間236円(前々期実績184円)に大幅増配したが、今期は年間132円を予定し分割考慮では年間264円と連続の大幅増配となる。

■GC示現の25日線水準で下値を確認しPER10倍の割安修正に再発進

 株価は、株式分割の権利を6770円で落とし、前期第3四半期の好決算や前期業績の再上方修正・再増配で4000円大台まで買い直されたが、4月の世界同時株安時に分割権利落ち後安値3065円に突っ込んだ。同安値からは今期業績の連続過去最高更新・連続増配予想で大きく持ち直し分割権利落ち後高値4640円と買われ25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では25日線で下値を確認する動きとなっているが、PERは10.6倍と割安である。分割権利落ち後高値4640円を奪回し一段の権利落ち埋めに進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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