安藤ハザマとNTT、IOWNでトンネル施工管理を革新、遠隔・自動化に挑む建設DX

■山岳トンネルを対象にIOWN活用の重点施策を策定

 安藤ハザマ<1719>(東証プライム)とNTT<9432>(東証プライム)は8月7日、IOWN技術を活用したトンネル施工管理の遠隔化・自動化に向けた重点取り組みを策定し、その成果をまとめたドキュメントがIOWN Global Forumで正式に承認されたと発表した。対象は主に山岳トンネルで、最大1,000km離れた現場とオフィス間をつなぐ次世代ICT基盤の構築を目指す。実証は2026年3月までに開始予定で、システム設計に必要なユースケースや評価基準、参考実装モデルの整備を進める。

 背景には、建設現場における労働力不足や老朽インフラの増加、安全性確保などの課題がある。特にトンネル工事では、危険を伴う作業と熟練者不足への対応が求められており、IOWNの大容量・低遅延通信技術とAIを活用することで、遠隔監視・解析・検査・維持管理を高度化するユースケース4件を策定した。これにより、リアルタイムでの異常検知や迅速な品質判断、施工後の構造物のモニタリング体制強化などが期待される。

 ゼネコンや発注者、専門工事業者にとって、安全性・生産性の向上や効率的な管理が可能になるほか、機器・サービス提供者にとっても新たな市場創出が見込まれる。安藤ハザマは山岳トンネル統合型掘削管理システムへの応用を視野に入れ、NTTは光パスの柔軟な接続技術やAI解析の活用に取り組む。両社は今後、国内外における建設業界のDXを加速させるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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