THK、工具監視AIをファナックCNCと連携開始、工数削減と不良品防止を両立

■生産現場効率化へ、THK「OMNIedge」進化

 THK<6481>(東証プライム)は8月27日、同社が展開するOEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge(オムニエッジ)」の「工具監視AIソリューション」をファナック<6954>(東証プライム)のCNC(コンピュータ数値制御)装置と連携させると発表した。開始時期は9月であり、工作機械の工具欠損やチッピングの検知精度向上、不良品排出防止、刃具交換の最適化を実現する。これにより生産現場における導入・運用工数を削減し、混合ラインや多品種少量生産に対応した効率的な生産体制を支援することを目指す。

 工具監視AIソリューションは、サーボアンプのケーブルに取り付けた電流センサやCNC装置の入力信号から加工波形データを取得し、学習した正常モデルと比較することで異常を検知する仕組みである。旋盤やマシニングセンタなど幅広い工作機械に導入実績があり、タップ加工やドリル加工、旋削加工といった多様な条件下で工具異常を検出してきた。これにより工具の寿命最適化やコスト削減、不良品の連続排出防止に貢献している。

 今回のファナックCNCとの連携により、従来必要とされていたラダープログラム編集や品種ごとのデータ紐づけ作業が不要となり、加工プログラムや工具番号をリアルタイムで直接取得できるようになった。これにより工程ごとに自動的に正常モデルを切り替える精緻な異常検知が可能となる。THKは今後もOMNIedgeの機能を強化し、ユーザー企業にとって最適なソリューションを提供することで製造現場のOEE最大化を推進するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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