【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは10月の年初来高値に接近、下期以降の収益改善期待で上値試す、低PBRも評価材料

銘柄分析

 カーテンレールやブラインド類のトーソー<5956>(東2)の株価は、11月5日の直近安値469円から反発して水準を切り上げ、12月22日には525円まで上値を伸ばして10月の年初来高値530円に接近した。今期(15年3月期)の営業減益見通しを織り込んで下期以降の収益改善を期待する動きのようだ。0.5倍近辺の低PBRも評価材料として上値を試す展開だろう。

 カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなど介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大などを掲げている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しについては10月31日に減額修正し、売上高が前期比4.7%減の228億円、営業利益が同38.0%減の6億40百万円、経常利益が同38.6%減の6億20百万円、そして純利益が同30.5%増の2億60百万円としている。配当予想は前回予想(5月8日公表)を据え置いて前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は前年同期比1.6%減収、同9.7%営業減益、同7.9%経常減益、同94.0%最終減益だった。消費増税前駆け込み需要の反動減が影響して減収減益だった。純利益は厚生年金基金の特例解散に伴う特別損失計上も影響した。

 消費増税の影響が長期化しているため通期見通しも減額修正した。ただし製造コストおよび配送コストの上昇に対応して、インテリアブラインドおよび関連製品について12月15日受注分から製品価格改定を実施している。営業強化、高付加価値製品の拡販、値上げ浸透による収益改善が期待される。

 株主優待は毎年3月31日現在の株主に対して実施し、1単元(100株)以上所有株主に対して1000円相当の優待品、10単元(1000株)以上所有株主に対して3000円相当の優待品を贈呈する。また環境保全活動の一環としてインドネシア共和国における「植林活動への寄付」も設けている。

 株価の動きを見ると、11月5日の直近安値469円から反発して水準切り上げの動きを強めている。そして12月22日には525円まで上値を伸ばして10月の年初来高値530円に接近した。今期の営業減益見通しを織り込んで下期以降の収益改善を期待する動きのようだ。

 12月22日の終値519円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円92銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS975円99銭で算出)は0.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなった。また週足チャートで見ると26週移動平均線と13週移動平均線を一気に突破して上伸した。強基調に転換したようだ。0.5倍近辺の低PBRも評価材料として上値を試す展開だろう。

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