【注目銘柄】ホシデン、26年3月期は大幅増収増益予想、任天堂向け受注が寄与

■目先調整一巡で業績上方修正・増益転換を買い直し

 ホシデン<6804>(東証プライム)は、前日3日に35円高の2298円と5営業日ぶりに反発して引けた。同社株は、今年8月8日に今2026年3月期第1四半期(2025年4月~6月期、1Q)決算とともに、今3月期第2四半期業績と通期業績の上方修正を発表し、いずれも期初の連続減益予想が増益転換したが、すでにこれを先取りして8月7日に年初来高値2447円まで買い進まれていただけに好材料出尽くしとして窓を開けて急落し下値を探ってきた。前日は日経平均株価が、約1カ月ぶりに4万1000円を割って急反落したなか、早期の調整入りで調整一巡として売られ過ぎ修正買いが再燃した。テクニカル的にも、取引時間中に2319円まで上ヒゲを伸ばし上値抵抗線となっている25日移動平均線にタッチしており、このブレークから今度は、25日線が下値支持線に一変するとも期待されている。

■「Nintendo Switch2」向け受注が増加し売り上げは72%増

 業績上方修正のうち今3月期通期業績は、期初予想より売り上げを220億円、営業利益を25億円、経常利益を40億円、純利益を29億円それぞれ引き上げ、売り上げ4280億円(前期比72.9%増)、営業利益155億円(同14.2%増)、経常利益160億円(同8.3%増)、純利益113億円(同12.6%増)と見込み、期初の連続減益予想が増益転換する。アミューズメント関連向け事業の受注が増加し、米国の関税引き上げ負担も見込みより減少し、想定為替レートも期初の1ドル=143円から1ドル=145円へやや円安方向に見直したことなどが要因となった。アミューズメント関連向け事業とは、主力顧客の任天堂<7974>(東証プライム)が、今年6月5日に発売した新型ビデオゲーム機「Nintendo Switch2」向けなどであり、この寄与で売り上げは前期比72.9%の大幅増収となる。

 なお同時発表の今期1Q業績は、売り上げ1163億4000万円(前年同期比2.02倍)、営業利益23億9100万円(同45.5%減)、経常利益19億5600万円(同63.7%減)、純利益13億1300万円(同64.2%減)で着地し、売り上げは倍増したものの新型ビデオゲーム機の利益寄与は限定的にとどまった。

■上値抵抗線が下値支持線に一変してPER10倍、PBR0.8倍の修正に再挑戦も

 株価は、前期業績の上方修正で買われた2298円高値からトランプ関税による世界同時株安の波及で年初来安値1615円へ突っ込み、「Nintendo Switch2」発売や任天堂の株価上昇にツレ高して年初来高値2447円まで51%高した。このため業績上方修正では材料出尽くしとして窓を開けて急落し、25日移動平均線を割って2224円まで売られた。ただPERは10.3倍、PBRは0.83倍と売られ過ぎとして上ヒゲを伸ばし25日線抜けにトライを続けてきた。上値抵抗線の25日線が、今度は下値支持線となって再度、年初来高値に挑戦する展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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