富士通、1FINITYと米Arrcusが提携、AI時代の次世代ネットワークを共同開発

■AI実装で急増する通信量に対応、マルチクラウドやエッジを統合する基盤を整備

 富士通<6702>(東証プライム)は9月3日、子会社1FINITYと米Arrcus Inc.と戦略的パートナーシップ契約を締結したと発表した。AIの社会実装が進む中で急増するデータトラフィックに対応し、日本とグローバル市場に革新的なネットワークソリューションを提供することを目的とする。契約に基づき、1FINITYがArrcus社のソリューションを担い、通信事業者やエンタープライズ企業、データセンタ事業者向けに共同で市場戦略を展開する。

 Arrcus社はイーサネット技術を基盤とする高度なルーティング・スイッチングプラットフォームを開発し、業界最高水準のネットワークソフトウェアを提供している。同社のネットワークOSソフトウェアはデータセンタからエッジ、マルチクラウド環境まで単一基盤で運用でき、導入期間の短縮や一元的管理を可能にする。ホワイトボックスを活用した柔軟な構成を特徴とし、企業によってはTCOを40%以上削減する実績がある。三社はこれを基盤に、設計から保守・運用まで含む包括的なソリューションを構築し、富士通グループ外にも広げてグローバルにビジネスパートナーを拡充する。

 富士通はグローバル顧客基盤を活かし、AIサービスやコンピューティング技術を組み合わせて次世代インフラのサービスプロバイダを目指す方針を示した。Arrcus社CEOのシェイカー・アイヤー氏は「柔軟なネットワークはAIデータセンタや5G/6Gネットワークの接続に不可欠」と述べ、提携を歓迎した。富士通執行役員で1FINITY社長の森林正彰氏も「膨大化する通信需要に対し、革新的なソフトウェアで最適解を提供できる」と強調した。今後はソフトウェア・シリコン・光技術を組み合わせた革新的ネットワークの社会実装を加速させるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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