日本エム・ディ・エム、業績予想下方修正も配当は据え置きで株主還元姿勢を堅持、低PBRが下値を支える

 日本エム・ディ・エム<7600>(東証プライム)は9月5日に26年3月期第2四半期累計(中間期)および通期の連結業績予想の下方修正を発表した。米国における一部製品の供給制約の影響で売上高が計画を下回り、労務費の増加、欧州・台湾からの調達に係る米国相互関税の影響などが影響する見込みだ。なお配当予想は据え置いた。株価は安値圏で軟調展開だ。ただし業績悪化懸念をある程度は織り込み済みと考えられる。1倍割れの低PBRも支援材料であり、下値は限定的だろう。

■26年3月期中間期および通期業績予想を下方修正

 修正後の中間期連結業績予想については、売上高が前年同期比0.6%減の117億50百万円、営業利益が68.6%減の2億10百万円、経常利益が77.4%減の1億50百万円、親会社株主帰属中間純利益が83.9%減の80百万円とした。前回予想(25年4月30日付の期初公表値、売上高122億50百万円、営業利益6億円、経常利益5億円、親会社株主帰属中間純利益3億50百万円)に対して売上高を5億円、営業利益を3億90百万円、経常利益を3億50百万円、親会社株主帰属中間純利益を2億70百万円、それぞれ下方修正した。

 修正後の通期連結業績予想については、売上高が前期比1.3%増の254億50百万円、営業利益が35.0%減の10億10百万円、経常利益が39.5%減の9億円、親会社株主帰属当期純利益が6億円(前期は4億61百万円の損失)とした。前回予想(同、売上高264億円、営業利益18億50百万円、経常利益17億円、親会社株主帰属当期純利益14億50百万円)に対して売上高を9億50百万円、営業利益を8億40百万円、経常利益を8億円、親会社株主帰属中間純利益を8億50百万円、それぞれ下方修正した。

 米国における一部製品の供給制約の影響で売上高が計画を下回ることに加え、労務費など間接費の増加、欧州・台湾からの調達に係る米国相互関税の影響などが影響する見込みだ。また、下期の想定為替レートを従来の1米ドル=145円から148円に見直したことにより、日本における輸入仕入原価の悪化も織り込んだ。なお配当予想は据え置いて前期比2円増配の17円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は74.6%となる。

■株価は下値限定的

 株価は安値圏で軟調展開だ。ただし業績悪化懸念をある程度は織り込み済みと考えられる。1倍割れの低PBRも支援材料であり、下値は限定的だろう。9月5日の終値は533円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円78銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS937円15銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約141億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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