三井化学・出光興産・住友化学、ポリオレフィン事業統合で基本合意、国内需要縮小と供給過剰に対応

■出資比率は三井52%、出光28%、住友20%に再編

 三井化学<4183>(東証プライム)、出光興産<5019>(東証プライム)、住友化学<4005>(東証プライム)の3社は2025年9月10日、ポリオレフィン事業の競争力強化に向けて基本合意に達したと発表した。具体的には、三井と出光が共同出資するプライムポリマー株式会社が行うポリオレフィン事業と、住友化学が国内で展開するポリプロピレン(PP)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)事業を統合する計画である。統合の実施には競争法を含む各種法的手続きを経る必要があり、今後は正式契約の締結を目指して協議を進めるとしている。

 背景として、POは国内合成樹脂需要の約5割を占め、自動車や電子材料、医療機器など多様な用途に用いられる不可欠な素材である。しかし、内需縮小や人口減少により需要減少が見込まれ、供給過剰が長年の課題となっていた。三井・出光の合弁会社であるプライムポリマーは2005年の設立以来、PPやPE事業で業界をけん引してきたが、今回住友化学のPPとLLDPE事業を統合することで、京葉地域の拠点や環境技術開発においてシナジーを発揮し、輸入品との競争力強化につなげる狙いがある。3社は80億円超の合理化効果を見込み、生産体制の最適化や高機能・環境配慮型製品の開発を通じ、グリーンケミカル事業の推進を加速させる。

 統合方法の詳細は未定だが、住友化学が事業を譲渡したうえで、プライムポリマー株式の20%を取得する案が検討されている。統合後の出資比率は三井52%、出光28%、住友20%となる見通しである。統合時期は2026年4月を予定しており、統合後の国内生産能力はPP159万トン、PE72万トンに拡大する。2024年度の両社合算売上高は3873億円で、統合後は国内外における持続可能で強靭な事業基盤を築くことを目指すとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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