トライアルホールディングス、猛暑と大雨で客数減少も全店売上8.1%増、既存店は1.7%減収

■前年特需の反動減を吸収、惣菜・日配品が底堅く推移

 トライアルホールディングス<141A>(東証グロース)は9月10日、2026年6月期8月度の月次売上高速報を発表した。既存店売上高は前年同月比1.7%減収となったが、客単価は同3.9%増と堅調で、全店売上高は同8.1%増を維持した。猛暑による飲料需要やお盆商戦での寿司・惣菜需要が下支えとなった一方、前年の高い伸びに対する反動減が影響した。月前半の大雨で6店舗が一時休業し、営業環境には逆風もあったが、日曜日が1日多かったことが売上高を0.9ポイント押し上げた。

 商品動向では、グロサリー分野で缶詰やカップ麺、飲料が軟調となった一方、デイリー部門では冷凍食品や卵が伸長した。フレッシュ部門は寿司やオードブルなどお盆需要を取り込み好調を維持し、店内加工惣菜パンも拡販が進んだ。非食品分野は反動減が一部に見られたが、寝具や夏物アパレルなどの季節商品が売上を牽引した。前年に特需があった保存性食品や防災用品は反動減により伸び悩んだが、惣菜や日配品を中心とした日常消費の底堅さが全体を下支えした。

 店舗展開では、8月に長崎県で「smart東長崎店」を新規出店し、同月の閉店はなかった。さらに既存店1店舗が改装リニューアルオープンしたことで、顧客利便性や店舗魅力の強化を進めた。全店舗数は358店舗で安定推移している。なお、2026年7月度からは子会社である西友の既存店および全店売上高の前年同月比も開示予定としており、グループ全体での開示強化と透明性向上を進めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る