レナサイエンス、血液透析支援AI医療機器にAMEDから1.43億円追加配賦

■東北大・聖路加国際病院・NEC・ニプロと共同開発、全国8施設で非劣性を証明

 レナサイエンス<4889>(東証グロース)は9月10日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が推進する「医療機器開発推進研究事業」において、同社が参画する人工知能(AI)を活用した維持血液透析支援プログラム医療機器の開発に対し、実用化加速のための調整費1億4300万円が追加配賦されたと発表した。研究代表機関は東北大学であり、聖路加国際病院やNEC(日本電気)<6701>(東証プライム)、NECソリューションイノベータ、ニプロ<8086>(東証プライム)なども共同研究先となっている。同プロジェクトは既にAMEDの助成を受けて進められており、今回の配賦は臨床現場への実装を見据えた取り組みを後押しするものとなる。

 末期腎不全患者は国内に約35万人存在し、週3回の血液透析が不可欠となっている。その治療で最重要課題とされるのが「適切な除水」である。除水不足は心肺機能障害を招き、過度な除水は透析中の低血圧や意識消失など有害事象を引き起こす。同開発中のプログラム医療機器は、透析専門医が設定する目標除水量を模倣学習し、経験の浅い医師でも専門医と同等の精度で除水量を提示できる機能を備える。2024年10月から全国8施設で実施された多施設共同臨床性能試験では、正解率(平均)90.31%を記録し、目標値80%を大きく上回った。専門医との比較においても非劣性が証明され、東北から西日本まで幅広い地域で高精度な結果が確認された。

 同成果を踏まえ、2025年6月には第70回日本透析医学会学術集会・総会でプロモーションビデオを公開し、医療現場に向けた認知活動も展開した。今後はProof‐of‐Conceptを得た成果を基盤に、薬事承認を視野に入れた最終アプリケーションの開発を進め、実用化を加速する方針である。なお、今回の追加配賦による業績への影響は現時点で見込まれていない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る