
■従業員の声を反映、多様な働き方を支援する新空間を設計
イトーキ<7972>(東証プライム)は9月11日、千葉県千葉市の関東工場オフィスエリアを全面リニューアルしたと発表。17年間使用されてきた旧オフィスを刷新し、書類を約8割削減したほか、従業員の声を反映させた空間デザインを導入した。同社は「Challenge to Craft」をコンセプトに掲げ、人的資本経営を空間から実践する先進事例と位置づけている。従業員が前向きに働き続けられる環境づくりを通じて、組織の生産性やイノベーション創出を目指す。
背景には、製造業が直面する「人材不足」「安全性確保」「生産性とイノベーションの両立」といった課題がある。同工場の改装では、グループアドレス席や集中席、ソロブース、カフェなど多様な空間を用意し、柔軟な働き方を可能にした。自然素材を取り入れたデザインや、自社製品の導入によって従業員の誇りと共感を育み、快適性と働きがいを高めた。また、安全性確保の観点から、リフレッシュスペースやグリーン配置を充実させ、心身の健康を支える工夫を施している。さらに、動線設計やダブルアドレス席の導入によって偶発的な交流を促し、イノベーションの契機を生み出す仕組みを整えた。
同社は同施策を「空間からの人的資本経営」のモデルとして位置づけ、製造業における課題解決の参考事例とする方針だ。今後はショールームとしての見学受け入れも予定しており、働き方改革やオフィス投資の提案に活用する。イトーキは引き続き「明日の『働く』を、デザインする」を掲げ、従業員エンゲージメントの向上やサステナブルな製品開発を通じて、より良い社会の実現に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)