ロームと独インフィニオン、SiCパッケージ共通化で協業、調達の柔軟性向上へ

■車載充電器や再エネ、AIデータセンター向けでセカンドソース体制を整備

 ローム<6963>(東証プライム)は9月25日、独インフィニオン テクノロジーズとSiCパワーデバイスのパッケージ共通化に関する協力体制を構築する覚書を締結したと発表した。両社は車載充電器、太陽光発電、エネルギー貯蔵システム、AIデータセンター向けのSiCデバイスで相互供給可能なセカンドソース体制を整備し、ユーザーが互換性ある製品を両社から調達できる環境を整える。これにより設計や調達の柔軟性が高まり、ユーザー利便性の向上に寄与する狙いだ。

 協業の一環として、ロームはインフィニオンのトップサイド冷却プラットフォームを採用する。これは全パッケージの高さを2.3mmに統一し、冷却コスト削減や基板スペース効率化、電力密度2倍の向上を可能にする技術である。一方、インフィニオンはロームのSiCモジュール「DOT-247」を採用し、互換性のあるパッケージ開発に着手する。DOT-247は従来比で熱抵抗を約15%、インダクタンスを50%低減し、電力密度を2.3倍に高める特徴を持つ。これにより、両社製品の互換性と競争力が強化される。

 両社は今後、SiCに加えシリコンやGaNなど幅広いパッケージでも協業を拡大する計画を示した。SiCパワーデバイスは電力変換効率を高め、小型化や高信頼性を実現する半導体であり、電気自動車充電や再生可能エネルギー、AIデータセンターなど幅広い分野で活用が進む。今回の協業は、パワーエレクトロニクス産業全体の技術革新と脱炭素化の推進を後押しする動きと位置付けられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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