奥村組、覆工コンクリート施工を自動化、北陸鋼産と共同技術を現場適用

■「自動打設」「養生温度制御」により省力化・省人化を実現

 奥村組<1833>(東証プライム)は10月3日、北陸鋼産と共同開発した覆工コンクリートの「自動打設システム」と「養生温度制御システム」を、同社が施工する山岳トンネル工事に適用したと発表した。自動化と温度制御による効率化を進めることで、省力化・省人化を実現し、従来2日を要していた施工サイクルを1日に短縮する成果を得た。施工現場は中日本高速道路名古屋支社発注の東海環状自動車道養老トンネル北工事である。

 自動打設システムは、既存の高速打設技術と打設高さ検知技術を組み合わせ、圧送ポンプやバイブレータを自動制御する仕組みである。定量的データに基づいて施工するため作業者の熟練度に依存せず、品質を安定して確保できる。現場適用前には実大規模実験で有効性を確認した。一方の養生温度制御システムは、コンクリート温度をリアルタイムに計測し圧縮強度を算出、電力供給を自動調整して脱型時の強度を確保する。これにより、セントルの脱型・移動・据付を効率的に管理でき、施工サイクル短縮につながる。

 今回の実施工では、脱型から据付、打設、養生までを24時間内で完了し、品質上の不具合も確認されなかった。さらに、型枠脱型から打設までを同日に行う「セットコン」を週1回導入し、月あたり150メートルの進捗を実現した。奥村組は今後、両システムを他の現場にも展開し、施工結果のフィードバックを通じてさらなる効率化を進める方針である。山岳トンネル全体の生産性向上を見据えた開発も継続する考えを示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  2. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  3. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  4. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  5. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  6. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る