トレジャー・ファクトリー、26年2月期中間期は順調、通期増収増益予想据え置き、既存店好調で収益堅調

(決算速報)
 トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は10月9日に26年2月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。増収増益と順調だった。既存店売上が計画以上に好調だった。そして通期増収増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なおエンプティが運営する無人店舗型ドレスレンタルサービス「Empty Dressy」事業を、25年11月1日付(予定)で譲り受ける。株価は9月の年初来高値圏から急反落の形となったが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■26年2月期中間期増収増益と順調、通期増収増益予想据え置き

 26年2月期中間期(3月~8月)の連結業績は、売上高が前年同期比14.5%増の224億53百万円、営業利益が10.0%増の19億19百万円、経常利益が11.5%増の19億60百万円、親会社株主帰属中間純利益が8.2%増の12億38百万円だった。

 増収増益と順調だった。既存店売上が計画以上に好調だった。営業利益の前年同期比1億74百万円増益の分析は、単体・既存店影響で3億45百万円増加、単体・当期新店影響で1億70百万円減少、単体・退店影響で61百万円減少、単体・その他影響で2億59百万円減少(店頭買取以外の買取チャネルの人員増加で78百万円減少、第3四半期以降の新規出店の先行コストで20百万円減少、ECや買取強化のための広告宣伝費増加で17百万円減少など)、子会社の利益貢献で3億19百万円増加だった。

 主要KPIとして、単体ベースの既存店売上高は前年同期比104.3%(販売件数は104.8%、販売単価は99.6%)だった。6月~7月にインバウンド需要が一時的に鈍化したため計画を下回ったが、8月が計画を大幅に上回った。単体ベースの既存店売上総利益率は64.9%で0.2ポイント低下した。商品ミックス影響(低単価商材の販売好調)で低下した。連結ベースのEC売上比率は0.7ポイント上昇して14.4%となった。連結ベースの仕入高は21.8%増加した。連結ベースの新規出店は合計18店舗、退店は1店舗だった。25年10月末時点のグループ合計店舗数(海外およびFCを含む)は314店舗となった。下期の新規出店(確定分)は第3四半期が10店舗、第4四半期が3店舗となっている。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が118億43百万円で営業利益が14億96百万円、第2四半期は売上高が106億10百万円で営業利益が4億23百万円だった。収益面の季節特性としては、引越シーズンで生活家電や家具の構成比が高まる第1四半期(3月~5月)の利益率が高くなり、単価の低い夏物衣料が主力となる第2四半期(6月~8月)の利益率が低くなる傾向がある。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比9.6%増の462億52百万円、営業利益が9.5%増の44億20百万円、経常利益が8.8%増の44億41百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.0%増の30億08百万円としている。配当予想も据え置いて前期比3円増配の39円(第2四半期末19円、期末20円)としている。25年2月期の年間36円には記念配当2円が含まれているため、普通配当ベースでは5円増配となる。予想配当性向は30.4%となる。

 26年2月期も増収増益予想としている。前提として単体ベースの既存店売上は前期比102%、連結ベースの売上総利益率は0.8ポイント上昇の59.9%、販管費比率は0.9ポイント上昇の50.4%としている。

 中間期の進捗率は売上高が49%、営業利益が43%、経常利益が44%、親会社株主帰属当期純利益が41%だった。利益進捗率がやや低水準の形だが、これは単価の低い夏物衣料が主力となる第2四半期の利益率が低くなる傾向があるためであり、概ね例年通りの進捗率である。外部環境の不透明感を考慮して保守的な前提としているが、既存店売上の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は9月の年初来高値圏から急反落の形となったが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。10月9日の終値は1797円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS128円37銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の39円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS444円44銭で算出)は約4.0倍、そして時価総額は約438億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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