【編集長の視点】ニューテック、2Qで大幅増益達成、利益進捗60%超で上振れ期待

■通期業績予想据え置きで続落も2Q業績の2回の上方修正を見直せば押し目限界

 ニューテック<6734>(東証スタンダード)は、前日9日に45円安の182円と3営業日続落して引けた。同社株は、今年6月26日に続き9月26日に今2026年2月期第2四半期(2025年3月~8月期、2Q)累計業績の2回の上方修正を発表し、株価は、年初来高値2115円まで買い進まれたが、その2Q累計決算発表時の10月6日には通期業績を期初予想の据え置きとしたことから、前2025年2月期業績も、2Q累計業績を上方修正しながらも、期末に通期業績を下方修正したことが連想され利益確定売りが増勢となった。ただ今期2Q累計業績は、前期とは異なって、期初予想を据え置いた通期予想業績に対して高利益進捗率を示しており、売られ過ぎも示唆している。テクニカル的にも、年初来安値1375円から年初来高値への上昇幅の3分の1押し水準まで調整しており、押し目限界として打診買いも一考余地がありそうだ。

■2Q業績はV字回復して通期業績対比で60%超の高利益進捗率

 同社の今期2Q累計業績は、今年9月の2回目の上方修正通りに売り上げ28億8100万円(前年同期比34.7%増)、営業利益2億2600万円(同62.2%増)、経常利益2億3400万円(同60.1%増)、純利益1億7100万円(同59.3%増)で着地し、売り上げが大幅増収、利益はV字回復した。ストレージ製品の売り上げが、16億3079万円(同26.6%増)と順調に推移、商品売り上げも医療系機器の取り扱いの増加で9億6488万円(同68.3%増)、サービス売り上げも2億6613万円(同0.5%増)と伸び、主要部材の調達条件の見直しや生産プロセスの効率化による原価率改善や新規案件、継続案件とも原材料価格上昇に対応する価格転嫁を進めたことなどが寄与した。

 今2月期通期業績は、第3四半期以降の市場動向や外部環境の変化を見極める必要があるとして期初予想を据え置き売り上げ50億円(前期比6.5%増)、営業利益3億7000万円(同2.0%増)、経常利益3億7500万円(同0.8%増)、純利益2億7000万円(同1.1%増)と小幅ながら増益転換を見込んでいる。前期業績は、2Q累計業績を上方修正したものの、期末の今年3月に成長投資負担、原材料費用の高騰、価格転嫁の遅れなどから通期業績を下方修正した。今期は、この前期業績の下方修正要因押をクリアした上での2回の2Q累計業績の上方修正で、2Q累計業績の通期予想業績対比の利益進捗率は61%~63%と目安の50%を上回った。今年9月から国産軽量LLMソリューション「Neuseed」推論専用機を正式にリリースし、次世代AI(人工知能)インフラ領域でも展開を進めることからも通期業績の上ぶれ修正の可能性がある。なお前期2Q累計業績の通期予想業績対比の利益進捗率は、31%~44%にとどまった。

■PER12倍と売られ過ぎを示唆し急騰特性の再発揮を期待

 株価は、トランプ関税による世界同時株安にツレ安した年初来安値1375円から、今期業績の増益転換予想で1961円と大幅底上げし、1回目の2Q累計業績の上方修正に「Neuseed」開発への協業開始が続いてストップ高を交えて1998円と上値を伸ばし、2回目の2Q累計業績上方修正では年初来高値2115円まで買い進まるなど急騰特性を発揮してきた。ただ足元では通期業績の期初予想据え置きで材料出尽くし感を強めて1810円まで調整し、下値もみ合いを続けているところである。PERは12.9倍と売られ過ぎを示唆しており、急騰特性の再発揮を期待して下値打診買いも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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