【編集長の視点】竹本容器は反落も1Q高利益進捗率業績を見直し業績上ぶれ期待を高めて再騰含み

 竹本容器<4248>(東2)は、40円安の1735円と3営業日ぶりに反落して始まっている。きょう21日に日経平均株価が、194円安と3営業日ぶりに反落してスタートしていることから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ下値には、今年5月13日に発表した今12月期第1四半期(1Q)業績を見直し、高利益進捗率から前期と同様の業績上ぶれ期待を高めて割安修正期待の買い物も交錯している。結城事業所の印刷棟の増築工事が今年3月末に完了して5月初旬から稼働を開始し、4月に岡山事業所の第1期工事に着工、10月に稼働開始を目指すなど成長戦略が続いていることも業績期待を高めている。

■1Q利益進捗率は30%超に達し減益転換予想の通期業績の最高益更新観測も有力

 今期1Q業績は、前年同期比10.8%増収、29.3%営業増益、28.5%経常増益、37.4%純益増益と2ケタの増収増益で着地し、期初予想の今12月期通期業績に対する利益進捗率は、営業利益が30.6%、経常利益が31.3%、純利益が31.9%と目安の25%をオーバーした。金型開発体制の拡大・強化を進め、2018年には、スタンダードボトルとカスタムボトルの合算で年間540型の製作を計画しているが、1Qでは完成金型・製作中金型の合計で156型を製作、この増収効果で減価償却費の負担増を吸収して2ケタ増益となった。

 今12月期業績は、期初予想を据え置き売り上げ127億8800万円(前期比4.6%増)、営業利益12億200万円(同3.9%減)、経常利益11億8600万円(同7.0%減)、純利益7億8100万円(同5.6%減)と増収ながら、利益は、前期の過去最高からの減益転換を見込んでいる。日本での固定資産の減価償却方法変更による費用低減効果が、前期に2億1300万円に達し、これが一巡することが要因となっている。ただ1Q高利益進捗率から、前期業績で相次いで第2四半期(2Q)累計業績、12月通期業績を各上方修正した再現期待を高めている。現に東洋経済会社四季報最新号では、今期通期業績を売り上げ139億円、営業利益14億円、経常利益13億8000万円、純利益9億1000万円と観測し、配当も28~30円と連続増配含みとしている。

■25日線固めの三角保ち合いに煮詰まり感を強めてPER12倍台の割安修正へ向け上放れ

 株価は、前期2Q業績の上方修正をテコに上場来高値2344円まで買い進まれ、その後の世界的株安の波及で下値を探り、前期通期業績の上方修正と期末配当の増配では2200円の戻り高値をつけたが、今期業績の減益転換予想を嫌って年初来安値1356円へ突っ込んだ。同安値からは下げ過ぎとして底上げ、1Q好決算で1810円までリバウンドし、足元では25日移動平均線を固める動きを続け、この三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。PERは12倍台と割安であり、もみ合いを上放れ一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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